持株会社について

前回は、合弁会社設立後に、日本側株主が実質的なコントロールを持つ方法として、「優先株」についてご説明しましたが、今回は、現地で良く見られます、「持株会社を設立する」というもう1つの方法についてご紹介したいと思います。
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補足しますと、タイ側株主との紛争の際に、持株会社が運営会社の株式を譲渡した場合、持株会社もタイ側株主から訴えられるリスクは生じます。
但し、訴えられている間も運営会社はタイ側株主の意向に関わらず、従前どおりの事業が継続出来、早急に株式を買い取らなければ、事業が停滞するといった状況を回避できます。
また、持株会社を設立する最大のメリットは、タイ側株主が51,000バーツしか出資しないですむという点にあり、これだけの金額しか出資しない株主は、通常、会社の経営に興味を持たないことが多いということがいえるでしょう。
他方で、102万バーツを出資しなければならないとなりますと、資金手当が難しくなりますし、また、出資したタイ人株主としても会社の運営に口を出したくなりがちで、合弁契約の交渉も厳しくなることが予想されます。
さらに、前回の優先株と持株会社を組み合わせることにより、より強力に運営会社をプロテクトする事も可能になります。

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