タイ進出に必要なこと(4)

前回は、タイ進出に必要なこととして、「丸投げしないこと」について書きました。丸投げをしないで、最低限のリスク管理をすることは、タイだけではなく、海外進出全般において、必須の事といえます。
さらに、今回は一歩進めて、「撤退時のことを考えて進出する」ということについて考えてみたいと思います。

通常、タイに進出する際は、撤退することについてなど、考えもしないという事が多いといえます。これから進出をしようとする時に、失敗した時のことなんて考えられないし、考えたくもない、というのが人情です。

ただ、法律も文化も異なる外国に進出する以上、必ず成功するとは限りません。むしろ、失敗する確率の方が高いとも言えるのです。にもかかわらず、撤退する方法について確認すらしていないのでは、万が一失敗した時には、全てを失うというようなことになってしまいかねません。

そこで、撤退する際に問題になりそうなことを事前に洗い出して、どの様に撤退するのかについて、重要な部分のイメージは頭に入れておく必要があります。

例えば、以下のような点です。

1.進出した会社で工場用地を購入して、工場を建設するような場合には、これは撤退時にはすぐに処分可能な物件なのかどうか。その際の法律はどうなっているのか。

2.オフィスや工場を賃借している場合は、中途解約が出来るかどうか。違約金は生じるかどうか。

3.従業員を解雇しなければならないときにはどうすればよいか、その際のコストはどの程度か。

4.合弁契約はいつでも解除出来るのか。解除する際、株式はタイ側パートナーに買い取ってもらえるのか。

このような点を確認し、契約上、明記されていなければ盛り込んだ上で、進出する事が出来れば、逆説的にはなりますが、失敗することも少ないといえるでしょう。

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