前回は、タイ進出に必要なこととして、「丸投げしないこと」について書きました。丸投げをしないで、最低限のリスク管理をすることは、タイだけではなく、海外進出全般において、必須の事といえます。
さらに、今回は一歩進めて、「撤退時のことを考えて進出する」ということについて考えてみたいと思います。
通常、タイに進出する際は、撤退することについてなど、考えもしないという事が多いといえます。これから進出をしようとする時に、失敗した時のことなんて考えられないし、考えたくもない、というのが人情です。
ただ、法律も文化も異なる外国に進出する以上、必ず成功するとは限りません。むしろ、失敗する確率の方が高いとも言えるのです。にもかかわらず、撤退する方法について確認すらしていないのでは、万が一失敗した時には、全てを失うというようなことになってしまいかねません。
そこで、撤退する際に問題になりそうなことを事前に洗い出して、どの様に撤退するのかについて、重要な部分のイメージは頭に入れておく必要があります。
例えば、以下のような点です。
1.進出した会社で工場用地を購入して、工場を建設するような場合には、これは撤退時にはすぐに処分可能な物件なのかどうか。その際の法律はどうなっているのか。
2.オフィスや工場を賃借している場合は、中途解約が出来るかどうか。違約金は生じるかどうか。
3.従業員を解雇しなければならないときにはどうすればよいか、その際のコストはどの程度か。
4.合弁契約はいつでも解除出来るのか。解除する際、株式はタイ側パートナーに買い取ってもらえるのか。
このような点を確認し、契約上、明記されていなければ盛り込んだ上で、進出する事が出来れば、逆説的にはなりますが、失敗することも少ないといえるでしょう。
ご不明な点等がございましたら、質問のメールをお問い合わせフォームから送ってください。時間と能力の許す限りで、このブログ上で回答してみたいと思います。
また、ブログの記事は、あくまで一般論ですので、個別の案件に適用された結果については、責任を負うことはできません。個別に専門家に確認するなどして、正確を期して頂くようにお願いいたします。