タイへ進出して、うまくいく場合は良いですが、うまくいかなくなって、撤退をしなければならない場合もあります。
あまり考えたくはないですが、撤退する時のことも考えておかなければ、最後の最後で、大きな損失を出したり、長期の紛争に巻き込まれる場合もありますので、平時から、もっと言えば、進出の時から、撤退の仕方を視野に入れておく必要があります。
日本の会社が100%近くを出資しているような場合には、債務超過になっていない限り、あまり大きな問題は生じません。株主総会の特別決議により、解散決議をし、清算手続において、残余財産を株主に配当して終了となります。
また、不動産などの大きな資産がある場合には、解散決議の前の時点で処分してしまった方がよいでしょう。
さらに、解散の際は、未払いの債務や税金がある場合は、清算手続が完了出来ませんので、通常は解散決議前にきれいにしておくことになります。
万が一、債務超過になりますと、通常の解散手続きでは、清算が不可能ですので、事前に増資をするなどして、債務超過を解消した上で、解散手続きに入るか、もしくは、破産手続きをすることになるのですが、破産手続きは日本の手続きほど、迅速には進まないようです。
問題は、タイ側パートナーとの合弁によって、会社を設立している場合に、タイ側パートナーとの話をつける必要がある場合です。設立時の合弁契約に、一方の当事者が、他方当事者の株式を買い取る場合の手順、及び株式の評価方法などについて、詳細に記載されていることが望ましいのですが、そうでない場合も、多々みられます。
そのような場合には、双方誠意を持って話し合った上、いずれかが他方の株式を買い取るか、会社を清算して、残余財産を配当することになります。
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