タイ進出に際して、必要なこととして、前回は、違いを認識してリスク判断をすることについて述べました。
今回は、「丸投げしないこと」について、述べたいと思います。
タイに進出した際に紛争が生じる場合について、元をたどってみますと、最初に全てを誰かに丸投げしてしまったことに原因があるケースが、非常によく見られます。
タイ進出について調査をしていると、分からないことや、判断に悩むことが色々と出てきて、面倒になってきます。そこで、誰かにそういった判断を一任してしまって、「良きに計らってくれ」と言えたら、どんなに楽だろう、と思うのは無理のないことです。
丸投げする相手としては、タイ側株主であったり、タイに詳しい外部コンサルタントであったり、現地法人の駐在員として雇用した、タイに詳しい日本人であったり、現地法人の従業員として雇用した、日本語の出来るタイ人スタッフであったりと様々です。
もちろん、丸投げをしたからといって、全てがトラブルに発展するわけではありませんが、リスクは高いといわざるを得ません。
日本の本社や出資者が、タイのことをよく分からないのに乗じて、現地法人をいつの間にか乗っ取られていたり、横領されていたりというケースは後を絶ちません。
日本の本社や出資者としては、やはり、一定のガバナンスや、事後チェックの機会を設け、現地から報告を受ける制度作りが大切になります。
また、万が一、問題が生じたときは、該当者に責任追及が出来るような契約書を、事前に作っておくことも重要になります。
このように、一定の枠組みを日本側で示した上で、その範囲内で業務を委託するという姿勢が重要になってくるのです。
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