設立時の資本金払込について

今年の1月5日より、タイで資本金500万バーツ以上の会社を、新規に設立する場合、設立登記日から15日以内に、銀行の預金残高証明を、商務省に提出することが求められる運用となりました。

そうしますと、設立登記時に資金の用意はもちろんのこと、登記日から15日以内に銀行口座を開設する必要があることになります。
会社の代表者取締役が日本人の場合、銀行によっては、口座開設の為に、代表取締役のビザとワークパーミットを提示することを求められます。

今回の変更によって、ビザ・ワークパーミットの提出がなくとも口座開設に応じて貰える銀行を確保するか、または、会社設立後速やかにビザ申請、ワークパーミットの申請をするように、事前に準備をしなければならない事となりました。
就労ビザは、会社設立後でないと申請が出来ませんので、会社設立後にビザ申請、取得、入国、ワークパーミット申請、取得、銀行口座開設までのすべてを、15日以内に行うことになってしまいます。

また、会社設立の書類を日本に送ってもらい、再度、タイに送り返してから提出という処理が出来れば良いのですが、郵送での対応が出来ない法律事務所の場合、一度、会社設立の為にタイに入国し、その後、ビザ取得の為に帰国。再度、ワークパーミット、口座開設の為に入国するということを、非常に短い期間に行うことになってしまい、大変、煩雑となります。

細かい規定の変更ではありますが、実務上、大きな混乱をもたらす運用の変更です。
これは、軍事政権であることの弊害の1つと言えるかも知れません。

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