タイの裁判所の訴訟進行

日本はすっかり涼しくなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。

先日、タイのある地方の裁判所(民事)に出席して参りました。
タイでは、弁護士資格はタイ人に限られておりますので、私は、傍聴席で様子を見ていただけですが、日本と裁判の進め方との違いがおもしろかったのでご紹介致します。

日本では、朝10時に期日があれば、事件毎に事件番号が読み上げられ、担当の弁護士が原告、被告席に座り、書面の陳述などが行われ、次回期日が指定されて終われば、また別の事件の事件番号が読み上げられる、というように1件1件処理されていきます。

これに対して、タイ(のその地方の裁判所)では、原告席に別の件の弁護士が3-4組、被告席にも3-4組座っており、全ての事件が同時並行的に審理されていくのです。また、裁判官も2名壇上に座っており、別の件を同時進行で裁いておりました。

タイでも原則として事前に書面は提出されているのですが、それに対して、裁判官が意見を述べ、このような主張は通らないので取り下げるように、とか、かなり当事者にとっては、酷な訴訟指揮も行われるので、その都度、出頭している依頼者と相談するなどして、弁論が中断する為、その間に他の件を同様に進めているということのようです。

どちらが優れているということではありませんが、タイでは国王から直接任命され、裁判官の地位が特に高いことも影響しているのかも知れません。
また、バンコク都内の裁判所では、裁判官2人体制は見たことがなかったので、法廷の数が限られている地方ならではの運用なのかも知れません。

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