サッカーワールドカップでの日本人サポーターのゴミ拾いが話題になっています。
やっぱり、日本人の良いところは、クリーンなところですね。
勉強会では、下記のような質問もありました。
【質問】
10年から20年くらい前のことですが、昔タイでは公務員に仕事を頼むときに、多少なりとも賄賂を渡さないといけないとか、マフィアや暴力団がいるというようなことを良く聞いたのですが、最近はいかがでしょうか。
【回答】
賄賂については、政府が汚職撲滅キャンペーンのようなことを少しずつしてきており、私が現地で聞くところによると、話の規模にもよりますが、あまりなくなってきたのではないかと思いますので、日常的にいつも賄賂を支払っていないといけないということではないと思います。
ただそういうものとは別に、儀礼的なものとして、お正月に花束を持って行ったりとか、そういった習慣的な範囲内のものは今でも良く見られると思います。ただ、私が実務をしていて常に賄賂を求められるという感覚はほとんどありません。
マフィアについては、マフィアだと思われる会社と組んでしまったみたいなお客さんのお話が一度ありましたが、確かに強面だったようですけれども、いきなり撃たれたりですとか、そういう感じはあまり無いようです。
タイという国は、私の感覚ですと、あまり命の危険をすごく感じる国ではなくて、爆弾が爆発したといっても大量に被害者が出たりはしなかったりですとか、ちょっと暴力的なものでも、そんなにひどいことにはならないことが多いように見ております。
さらに補足しますと、「タイでは賄賂が必要」という固定観念にとらわれてしまっていて、必要のない賄賂の支払をしまっている場合も多いように思われます。
大抵の場合、絶対に審査を通すことが出来ないものを、末端の公務員になんとか出来ることはありません。あとで、上司に指摘されてしまうからです。
本来通すべきであるにもかかわらず、出来ないと言って賄賂の支払を求めている様なケースがほとんどですから、日を変えて、担当者を換えれば追加書類を求められるだけで通ってしまうというケースがほとんどです。
また、賄賂を求められたというケースにおいて、実際に公務員に賄賂は渡されていないケースも多いように思われます。
つまり、公務員は、賄賂を求めていないのに、間に入った人間が賄賂を求められていると嘘を言って、受け取った金銭を横領してしまっているケースです。賄賂の支払に領収書は出ませんから、確かめようがないわけです。仮に、あとで、賄賂を渡したはずの公務員の所に行って挨拶をさせてもらったとしても、分かりやすく「おぬしもわるよのう」とか言ってくれるわけではないのです。
なによりも、近年では、不正競争防止法の外国公務員収賄罪が適用された例もありますので、絶対に避けるべきです。「タイでは賄賂を支払うべき」という固定観念は捨てて、クリーンに戦いましょう。
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また、ブログの記事は、あくまで一般論ですので、個別の案件に適用された結果については、責任を負うことはできません。個別に専門家に確認するなどして、正確を期して頂くようにお願いいたします。