少し法律の話から離れますが、タイは、女性の社会進出が突出して進んでいる国の1つだと思います。あまりにも進み過ぎていて、女性の社会進出という概念自体がないくらいです。
タイ人の女性は勉強熱心で、私が通っていたチュラローンコーン大学のロースクールでは、総勢30人中23人が女性でした。男性は自分を含め7人しかいなかったのです。その大半が今も社会人として活躍しています。
タイは、女系社会だとよく言われます。時代とともに家族のあり方はタイでも変わりつつありますが、タイでは一家の大黒柱はお母さんです。お母さんがお金を稼ぎ、かつ、家族の面倒をみています。お父さんは何をしているかというと、基本的に好きなことをやっています。働くのが好きなお父さんは、ちゃんと働いていることもある、というスタンスです。
もともとは、タイの仏教では、出家出来るのは男性だけなので、お父さんが一家を代表して出家をして、その間だけお母さんが一家を支えていたのかも知れません(タイでは、一時的な出家が基本です)。それがいつの間にか、出家もしていないのにお父さんはぶらぶらし、お母さんが働き続けることになってしまったのかも知れません。ちなみにタイではニートが大きな問題になったりもしません。
理由はともあれ、そういった働くお母さんたちが多いことを反映して、タイでは職場に子供達の姿がちょくちょくみられます。お母さん達が、子供達を職場によく連れてきていて、子供達はお母さんの机で宿題をしたり、たまにはごく簡単な仕事を手伝ったりしています。以前勤めていた法律事務所では、法律事務職員として働いているお母さんの代わりに、コピーした書類をお子さんが私の所まで持ってきてくれたりしていました。
ある地方の土地局に仕事で行った時には、登記官として働いているお母さんの代わりに、子供が権利書を「はい」という感じで持ってきてくれて、決裁の場が和んだのを記憶しています。
あくまで、遊んでいる合間にお母さんの仕事の手伝いをしているレベルのお話です。お母さんに言われたとき以外は、基本的に子供は本を読んだり、ほかの子と遊んだりしているのです。
職場が部分的・一時的に託児所としても機能していて、学校が終わると職場に子供達が来たりしていて、それが当たり前になっている感じです。「子供がうるさくて集中出来ない!」というような話は聞いたことがありません。
タイの中でもいろいろな職業や職場があるので、一概には一般化出来る話ではないですし、日本人がすぐ真似出来ることでもありませんが、必要や気分に応じて、子供を普通に職場に連れてこられる文化はうらやましいと思ったものです。
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