法務ブログ始めました(インドネシアの現況について)

皆様、ご無沙汰しております。

更新がだいぶ途絶えてしまい恐縮でございます。

3月下旬より緊急一時帰国したものの、結局そのままインドネシアには戻れずじまいで、現在は東京で業務を再開しております。

従前は、インドネシア留学ブログとして記事を書いてきて参りましたが、8月に無事、留学プログラムを終了いたしました。

これに伴い、今後は心機一転、「インドネシア法務ブログ」に名称を変更しましてインドネシアにまつわる記事を引き続き書いていきたいと思います。

今回は、最近のインドネシア情勢についてお話したいと思います。

まずは世界的な影響を及ぼしている新型コロナについて。

インドネシアは残念ながら、新型コロナウィルスの抑え込みに失敗したと言わざるを得ません。

ここ一週間は新規感染者数も3000人を下回るようになってきましたが、9月~10月は1日4000人程度の新規感染者数で推移していました。

それにもかかわらず、ジャカルタ州知事は、4月から始まった大規模社会的制限(PSBB:日本でいう緊急事態宣言に該当します。)を10月12日付で緩和(移行措置)することを決定しました。緩和措置により、レストランでの飲食が可能(ただし、席数は半分以下の制限があります)となる等、経済の回復を狙った措置が取られています。私のインドネシアの友人も祝日を利用して海に小旅行したと言っていました。

幸いにして、現状では感染者数が落ち着いているので奏功しているとも言えますが、今後の状況は引き続き注視していく必要がありそうです。

(外務省も感染症危険情報レベルをレベル3(レベル4が最高)のまま維持しております。)

他方、菅総理は、就任早々、ベトナムの次にインドネシアを訪問していました。

ベトナムはともかく、インドネシアは感染リスクも低くない中での訪問でしたので驚きましたが、報道の映像を見る限り、ジャカルタではなく、ジョコ大統領の邸宅があるジャカルタ郊外のボゴールで会合を開いたようですね。

ちなみにジョコ大統領は、ボゴールにある有名な植物園内の邸宅に居住しており、土曜日にこの植物園に行くと大統領に会えるかもしれません。

かくいう私も、たまたま土曜日に植物園を散歩していたら、大統領の乗車する車に遭遇しました。大統領も気さくに周囲の人々に手を振って応じ、これにまた人々が群がるといった様子で、国民の人気がうかがえました。

大統領を間近で見た際は写真を撮り忘れてしまった(あっという間に過ぎ去ってしまいました)ので、その後に丘の上から撮った写真ですが、大統領に気づいた人々が道路沿いに群がっているのがお分かりかと思います。

しかしながら、そんな大統領も国内情勢はかなり不安定な状況にあります。

日本ではあまり報じられていませんでしたが、10月は大規模なデモが行われていました。

原因はオムニバス法案と呼ばれる法案です。

オムニバス法案は、文字通り複数の法改正が法案化されたものですが、今回の法案は、雇用創出のための投資誘致を目的としたもので、労働(最低賃金、退職金、失業補償)、投資など11分野について、関連する法律79本を一括して改正するものです。

インドネシアの友人に概要を教えてと聞いたら、1000頁あるからすぐには無理と言われてしまいました。。。

詳細については別途ブログでご紹介できればと思いますが、最低賃金の算定方法改正や退職手当の引き下げ、外資規制の緩和も含む内容だっただけに、労働組合等が大きく反発する事態となり、デモ参加者が暴徒化し、投石、放火等の事態に発展してしまいました。

それに加え、直近ではフランスのマクロン大統領の発言に反応したイスラム団体がさらなるデモを行う事態となっております。。。
こちらは今のところ先のデモほどの暴徒化には至っていないようですが、今後のフランス政府の対応によってはこちらもさらなる問題に発展してしまうかもしれません。

様々な問題が噴出しているインドネシアですが、オムニバス法案は日本企業にとっては進出チャンスといえますので、今後の動向に注目したいと思います。

それでは、また次回!