インドネシア株式会社法 その4〜定款変更①

Selamat siang!

今日はインドネシア株式会社法シリーズのうち、第2章から定款変更を取り上げたいと思います。

なお、本ブログ記載の株式会社法は、同法の概説を目的としており(決して条文の完全訳ではありません)、かつ、以前ご紹介した英訳版に則って記載しておりますので、個別の案件につきましては、必ず別途、弁護士等の法律の専門家に個別にご相談ください。

定款変更に関する条文はおおよそ次のような構造になっております。

第19条 株主総会

第1項では、定款変更は株主総会により行われることが定められています。

普通決議ではなく特別決議で行うべきことは日本と同じですが、特別決議は株主総会のところでご説明します。

第2項では、定款変更の議題を、株主総会招集通知に明示されなければならない旨が規定されています。

第20条  破産時の定款変更

第1項では、破産宣告後の定款変更には、監督人の承諾を要する旨、第2項では、当該承認の書面が定款変更手続で添付することを要する旨が規定されています。

第21条 大臣の承認を要する定款変更

本条では、定款変更のうち、株主総会に加えて、法務人権大臣の承認を要する事項が規定されております。法務大臣の承認を要するのは、会社の商号、本店所在地、会社の設立趣旨、目的及び事業内容、資本金の増減、公開/非公開会社の変更等、会社の特に基本的な事項についてです。但し、手続期限は各項目によって異なる場合があるため要注意です。個別の規定は次回の第22条以下でご説明します。

これら以外の事項の定款変更は、事後的な法務大臣への届出で足ります。

また、第4項以下では、法務人権大臣のへの事前承認・事後届出共通の規定が定められています。

第4項は、株主総会の定款変更決議後に、公証人が株主総会議事録をインドネシア語で公正証書の形式で行う必要がある旨、第5項は、株主総会議事録に記載されていない定款変更がある場合には、当該株主総会後 30 日以内に別途株主総会議事録を公正証書の形式で作成して手続を進めることができますが、逆に当該30日を超えてしまうと認められない旨が第6項で定められています。

その後、当該公正証書の日付から 30 日以内に法務人権大臣へ提出しなければならず、当該30 日を経過した場合には、それ以降定款変更の承認申請又は届出は受理され図、結果、定款変更の効果は生じない事態となってしまいます。

ひとまず、今回はここまで。

次回は、第22条以下で引き続き定款変更にかかる規定をみていきたいと思います。

それではまた次回!

※本ブログ記載内容は筆者個人の見解であり、所属する法律事務所の見解ではございませんので、何卒ご了解ください。

※個別の案件につきましては、必ず別途、弁護士など等法律の専門家に個別にご相談ください。

最近の事件について

Selamat sore!

 

最近は国内の事案で忙しく過ごしておりましたが、その間にインドネシアで、しかも私が留学時に訪問した思い出深い島で悲しい事件が再び起きてしまいましたので、今回はその話をさせていただきたいと思います。

 

まずは、先月28日、スラウェシ島南部のマカッサルという都市にある教会付近で自爆テロと思われる爆発が起きました。マカッサルは、以前こちらのブログでもご紹介したトラジャ村訪問時に立ち寄った大きな街でした。国民の大半が暮らすインドネシアですが、マカッサルがあるスラウェシ島は、キリスト教の方が多く、私が訪問したトラジャもキリスト教と土着文化が混じり合ったような形でした。

事件はこの日にとどまらず。その3日後の先月31日には、首都ジャカルタのインドネシア国家警察本部でも銃撃テロが起きております。

 

報道を見ておりますと、いずれもイスラム過激派の犯行のようですが断定はできないところです。留学時代のカトリック教徒のインドネシア人の友人に聞いてみましたが、最近急に宗教対立が激しくなったわけではないという話をしていましたが、バリ島のクラブやジャカルタの外資系カフェでも過去に爆破テロが起きていることからすると、残念ながら、「多様性の中の統一」というインドネシアの国是の達成への道のりはまだ遠いようです。

 

他にも、一昨年のクリスマスに私が(ほぼ)横断したインドネシア東部のフローレス島でも、4月4日に豪雨による鉄砲水で44名もの方がお亡くなりになってしまいました。

訪問時に現地を案内してくれた友人の家族・親戚の人たちは無事だったようですが、ただでさえコロナウィルスの影響が続く中で、更なる天災・人災までもが襲っており、現地の人々の生活が非常に心配されます。

 

今回は暗い話題になってしまいましたが、インドネシアは元々は気性の穏やかな人が多く、生活していてもそれほど心配になるような危険を感じたことはありませんでしたので、早く本来の姿に戻って欲しいところです。

 

それではまた次回!