インドネシアにおける慣習法 その4

皆さん、こんにちは Salam Sejahtera !

 

改めて今年も私がインドネシアについてご紹介させていただきますので、何卒宜しくお願い致します。

 

去年のインドネシアにおける慣習法を再びお伝えしたいと思います。今回は裁判所における慣習法の適用について説明します。

 

慣習法の規定は、行動規制、行動に対する結果を含めた全体的な振舞い、紛争解決の手続き、および社会的相互作用を規制するその他の事項を定義されています。

慣習法はインドネシア全国の裁判所に適用され、慣習・伝統的な主権が強い地域の地方裁判所及びその裁判官には、地域固有の慣習・伝統的な掟を理解する必要があります。

2009年第48号の司法権に関する法律の第5条第1項に基づき、裁判官および憲法裁判官は、社会内に存在する慣習法の価値観と正義感を探求し、理解し、従う義務があります。これは、裁判の流れと裁判官による判決がアダット・慣習社会における慣習法に基づくべきであると示しています。

裁判官が判決を下す重要な要素は以下の通りです:

    • 伝統的な社会構造はまだ維持されているか、または変化していたかを考慮する
    • 村長、首長等とその伝統的な機関は、依然として慣習法の執行者としての役割を果たしていられるかを考慮する
    • 民族に対して、紛争・事件解決が類似する以前の紛争・事件判決・解決法と一貫しているかを考慮する
    • 慣習法の規律が維持されているか、または変化されているかを考慮する
    • 慣習法が憲法や国家政策法に矛盾しないことを考慮する

慣習法を適用する裁判所の審理において、裁判官は次のような判決を下します(判決の種類):

  1. 前例同様する、裁判官の判決は前例と同じ内容を含む判決(判例法)。事件が過去にある事件と同じであるか、同時に発生するからです。
  2. 適応する、裁判官の判決の内容が慣習法または伝統的な規律に合わせて調整される判決。
  3. 逸脱する、裁判官の判決は適用される慣習法の規律から逸脱した内容を含む判決。
  4. 除外する、裁判官の判決は適用される慣習法の規律を除外または無視する判決。
  5. 中立する、裁判官の判決は当事者の不明瞭な説明の間で中立した判決。
  6. 変更する、裁判官の判決は古い慣習法の規律を新たな慣習法の規律に変更する判決。
  7. 新しくする、裁判官の判決は現代において適用得ない古い慣習法の規律を置き換える法の規律を含む判決。
  8. 拒否する、不適切であるとして当事者の要求または訴訟を拒否する判決。

上記はアダット・慣習社会での判決の執行において不整合が生じないように、裁判官には誠実性と社会感受性が求められ、徹底的に適切な判決を下されます。

インドネシアの裁判官は義務重大で、国家の規定・法律を理解するだけで必死なのに、慣習法を理解するまでとは尊敬の極みですね。

今回の慣習法についてはここまでにしておきます。次回には慣習法について触る予定はありませんが、関連する事件や話題があればと思います。

 

いつもご来訪頂き、感謝を申し上げます。

では、また次の機会に! Sampai Jumpa !

年末・新年の文化

皆さん、こんにちは Salam Sejahtera!

 

新年に脱皮した新たなイサムです。

皆さん、年越しはいかがでしょうか?

2024年・令和6年にすっかり入りましたね。今年の初日に地震災害に見舞われましたが、お互いを手を伸ばして支援しつつより遥かな明日へ前向きに参りましょう。

 

冬休みの間、私は横浜とお台場に行きました。アクアパラダイスのアクアミュージアム水族館に行き、様々な海の生命体を堪能致しました。その他、動くガンダムと実物大ユニコーンガンダムを見に行きました。かなり楽しめましたね、日本万歳。

 

外国人として、日本の生活習慣にかなり驚かされています。例えばゴミの出し方・処理スケジュールがあったとか、ICカードで公共の自動車を手軽にレンタルできること、毎朝の電車のラッシュアワー、デパートと駅が一つの建物に統合されて建造されていること、お水を直接水栓から飲むことなど、多くのことに衝撃を受けました。なので、今回は日本とインドネシアの年末・新年について少し話したいと思います。

では、私が思ったインドネシアにない年末・新年の日本文化は次に述べます:

    • お歳暮
    • 日本には年末になると、過去1年間で手伝ってくれた方々に感謝の意を示すために、品物を送る文化があります。私が知る限り、インドネシアにはこのよう文化は存在せず、感謝の示し方は季節に限らず、品物送りはいつでも歓迎し、よくあるのは一緒に食事や活動をともにすることで感謝を示します。

      (出典:日本郵便局、https://www.shop.post.japanpost.jp/img/usr/oseibo2019/mame_im01.jpg)

       

    • 初詣
    • 日本では、新年になると多くの人々が神社やお寺に集まる文化がありますね。年明けの初めに神社やお寺を訪れて、前年の無事を感謝し、新しい年の幸運を祈る習慣です。祈りや願いは、財産、人間関係、直面されている問題、長寿など、様々な内容です。

      インドネシアでは多数派の人々はしませんが、ヒンドゥー教や仏教の信仰者が初詣と近い儀式をされているかもしれません。

      (出典:日枝神社、https://www.hiejinja.net/wp-content/uploads/2022/11/image-7-768×512.jpeg)

       

    • 大掃除
    • 家または住居全体を綺麗にする日本文化です。新年を迎えに、「煤払い」あるいは家から煤や黒しみを取り除く習慣です。インドネシアではこのような文化はありません。

    • インドネシアの大掃除と言えば、掃除当番の印象ですね。

      (出典:Ameba.jp、https://stat.ameba.jp/user_images/20191219/11/yamamoto-kumiko/4f/78/p/o0945059114681318175.png?caw=800)

       

    • 正月飾り
    • 日本では、新年に迎えに、飾りとして「門松」、「しめ縄飾り」、「鏡餅」を家、建物に飾りますよね。これらの飾り物は日本社会の信仰に基づいたもので、神様の訪れと神様からの福と徳を願う意味と聞きました。

    • インドネシアでは、新年の飾り物はありません。あるとしたら、グローバリゼーションの影響で、特にジャカルタやジャワ島の方は「新年おめでとう○○○○年!」と書かれた看板・バナーや新年テーマの装飾品を所々に飾ってあると思います。

      (出典:iemone.jp、https://iemone.jp/iemone-cms/wp-content/uploads/2022/12/389573-05-1.jpg)

       

    • 大晦日
    • 日本では、毎年12月31日の夜23時から00時までの間に、全国の神社やお寺で108回の鐘の鳴らす習慣がありますよね。「大祓え」と呼ばれ、人間の罪とケガレを清める儀式の一環です。鳴らす音を聞きながら、皆さんは年越しそばをすうすう食べます。

    • インドネシアでは、新年の夜に鐘を鳴らす習慣はありません。インドネシアは六つの宗教がありますが、どうしても鐘を鳴らす儀式はインドネシアに見たことはありません。やっぱりこれが日本の特権ですかね。

      (出典:ac-illust.com、https://thumb.ac-illust.com/59/5983143f54c34dba088b4f3ea56d074a_t.jpeg)

       

    • 福袋
    • 日本のユニークな新年文化であると私が思います。福袋は商人がランダムな品物を詰めた袋を提供し、その中身に基づいて約50%以上の割引で販売されます。ランダムな品物から利益と成功を引き寄せることで、努力や苦労をかけずに得られることが「射幸心」として日本で知られています。

      一方、インドネシアでは福袋のような販売はなく、新年を迎えにバーゲンセールを実施する文化はあると私が思います。本年に上手く売られてない商品を50~80%に割引して販売する年末の商売文化ですね。

      (出典:ac-illust.com、https://thumb.ac-illust.com/91/91316f28afbd20afeecccf2de91413b1_w.jpeg)

以上は私が面白いと思い、ユニークな日本の文化でした。私の宗教上の信仰により、上記の文化に直接体験することは出来ませんが、皆さんが実践する姿を見るだけでも尊敬し、豊かな文化だと思います。

 

では、次はインドネシアにある年末・新年の文化をご紹介します:

    • ラッパ・トランペットを吹く
    • インドネシアでは、新年はラッパ・トランペットの響く音が象徴的です。この文化はグローバリゼーションの影響であり、ラッパ・トランペットの大きな音が祝宴を盛り上げます。

      (出典:Kalderanews.com、https://www.kalderanews.com/wp-content/uploads/2019/12/Asal-usul-terompet-tahun-baru-640×381.jpg)
    •  

    • Car Free Night/カー・フリー・ナイト (CFN)

    • 12月31日に行われる夜分21時~01時までの道路封鎖もしくは車自由フェスティバルです。このフェスティバルは、よく交差点で行われ、年末から新年への最後の夜の雰囲気を楽しむ機会であり、市民が夜のパーティーや地元料理を楽しむことができます。

      (出典:TheJakartapost.com、https://img.jakpost.net/c/2018/01/01/2018_01_01_38184_1514739998._large.jpg)
    • Badendang Rotan /バデンダン・ロタン

    • マルク州で毎年1月1日に行われる伝統的な新年祝宴文化です。一般的な綱引きに似た競技の伝統で、ロタン(ラタン・籐)の編み物を使い、数十メートルの長さで地元の人々が参加できるようにされています。これはマルク州の地元の人々間の協力、共同作業、連帯の象徴です。

      「Badendang」とは「揺り動かす」という意味で、新年の真夜中12時を過ぎた後、家族、親戚、地元の人々と共に歌や踊りで満たされます。

      (出典:インドネシア文部科学省、https://kebudayaan.kemdikbud.go.id/bpnbmaluku/wp-content/uploads/sites/13/2020/04/22-1.png)

       

    • ランタン祭り
    • ジョグジャカルタ特別州にあるボロブドゥール寺院で行われるランタンフェスティバルは、インドネシアの仏教の儀式の一環です。大晦日の夜空にランタンを放ち、人々の未来への願いや希望を象徴しています。また、ランタンから放つ光は、人間の悪い性質を浄化する象徴とされています。

      (出典:Detik.com、https://awsimages.detik.net.id/community/media/visual/2019/05/19/b3d5dd1b-9d29-4b52-9ad4-37b409cd4c78_169.jpeg?w=700&q=90)

国々の年末・新年のお祝いは多様性に富んであり、私達に様々な国を訪れ、年末・新年の異なるお祝いの多様性を体験する機会を与えてくれます。文化すれ違いにより、経験や知識が広がり、世界各地での社会化や共同体形成に関する見方が深まりますね。

 

以上は今回の話題でした。また次回!Sampai Jumpa

インドネシアにおける慣習法 その3

皆さん、こんにちは

 

イサムが再び参りました。

はい、冒頭のネタを記載したいと思いますが、寒いのことにしか脳に浮かんで来ないので、ご了承下さいませ...

 

この寒い中、年始に突入する以前に、皆さんは年末をどのようにお暮しを送りになりますでしょうか?...

私はですね、年末にゴロゴロしてベッドの上に過ごそうかと考えています。出かけるにはサムイだけなので、内室に暮らさせていただきます...寒いんですもん!

 

ちなみに、先日の24・25日にすさまじい人数が聖なる夜にお出かけされているのようで、電車が遅れて乗客でいっぱいでした。

駅員さんが大変そうにため息した姿を見てしまいました...駅員さんの方々、お疲れ様でした!

聞いたお話ですが、日本人は年末の24・25日またはクリスマス・イブ/クリスマスにケーキおよびケンタッキーで祝杯すると聞きましたが、それは米国文化から由来されたものであるか疑問に思いますよね。インドネシアでは、クリスマス祝杯はありますが、キリスト教のご家族たちがプレゼントを子供にあげる宴会だと私が思いました。ともかく、楽しい時期であることは変わらないのです。

 

では、本題のアダット・慣習について語りたいと思います。

 

前回のブログには、インドネシアには約140の民族が住んでいると述べました。これらの民族は、文化的な多様性と相互作用を持ち、各民族は独自の慣習法に基づいて生活しています。インドネシアの民族社会の構造は以下の通りです:

  1. 血縁に基づいた社会構造
    1. 母系、法的な親子関係が母方の系統から形成されるものです。子供は母親とその親戚と結びつき、母方の家系が優先されます(相続、居住地、職業等)。
    2. 父系、法的な親子関係が父方の系統から形成されるものです。子供は父親とその親戚と結びつき、父方の家系が優先されます(相続、居住地、称号、職業等)。
    3. 親系、法的な親子関係は父母の血統に基づいて形成されます。法的な血統関係は、称号、職業、結婚、および相続に関して厳密に規定されず、どちらかの家系を優先するという原則はありません。

ミナンカバウ族は母系の民族

(出典:Kabarsumbar, https://www.kabarsumbar.com/berita/matrilineal-peran-penting-perempuan-di-minangkabau/)

ササック族は父系の民族

(出典:TribunLombok, https://lombok.tribunnews.com/2023/02/26/mengenal-pakaian-adat-suku-sasak-dan-maknanya-sapuq-godeq-nongkeq-hingga-selewoq-poto)

バリ族は親系の民族

(出典:Detikbali、https://www.detik.com/bali/budaya/d-6195693/mengenal-nama-nama-orang-bali-berdasarkan-kasta)

 2.地域に基づいた社会構造

    1. 村社会・村落、同じ人生観、生活様式、そして信念体系を共有する人々の集団が、一緒に住む住居に定住すること。
    2. 地域社会・地域コミュニティ、特定地域における社会は、いくつかの村落の社会的統合体として機能し、それぞれが自らの領域内で主権を保持しています。地域社会は、自然資源、領域間の財産分配、土地関連、および地域社会としてのメンバー間の合意等について、村落のメンバー間の調和を促進する役割を担っています。
    3. 村落共同体、地域的な社会的統合体であり、村社会の共通の利益のために様々な分野での協力に基づいて形成されています。村落共同体は、通常以下のような役割を持つ管理者で構成されています:
      • 開発、農業、および畜産の管理
      • 刑事事件の解決の管理
      • 治安の管理
      • 協力関連の管理
      • 他の管理分野

バドゥイ族の村落、バンテン州ジャワ島

 
(出典:tempat.org、https://tempat.org/destinasti-keindahan-wisata-kampung/)

トラジャ族の村落、南スラウェシ島

 
(出典:bobo.id、https://bobo.grid.id/read/083528256/mengenal-keberagaman-budaya-ini-kampung-adat-kate-kesu-yang-simpan-sejarah-tana-toraja?page=all)

ニアス族の村落、ニアス島

 
(出典:travelingyuk.com、https://travelingyuk.com/desa-bawomataluo/134011/)

インドネシアのアダット・慣習社会は特徴を持ち、大まかな特徴は以下の通りです:

    • 宗教・神秘主義、社会が安全・平和・幸福であるために保護しなければならない神秘的な存在・力を信じています。社会は先祖の霊や他の神秘的な存在を宗拝しています。社会活動は常に宗教的な儀式を伴い、その活動の継続に障害や災難がないように祝福を得ることを目的としています。

Nyi Roro Kidul「ニャイ・ロロ・キドゥル」

ジャワ族とスンダ族が信仰する超神秘的な存在であり、 インド洋を支配する女神

絵画作家:Basuki abdullah氏
(出典:Tatangmanguny’s blog、https://tatangmanguny.wordpress.com/dongeng-sunda/nyi-roro-kidul/)

テガララン村の伝統「Ngerebeg・ンゲレベグ」、バリ族

村民の信仰の伝統であり、人間の悪い性質(悪い性質は体に色付けることで表現されます)を中和し、村民に降りかかる悪いことから遠ざけるためのもの

(出典:xinhuanet.com、https://english.news.cn/20230209/46801845a51f412bb7d2399b7c58cc61/c.html)

バリ族の祭礼日「Galungan・ガルンガン」

バリ族ヒンドゥー教の祭礼日で、バリ暦の日付の210日ごとに祝われ、善(Dharma・ダルマ)が悪(Adharma・アダルマ)に対する勝利の日

(動画出典:Bali Go Live、https://youtu.be/4cvFOUnNx2A?t=8)

    • 共同社会的、アダット・慣習社会の生活は常に集団であり、共同体としての単位です。個人個人はお互いに補完し合い、分離されずに常に共同体で生活しています。社会内の各メンバーは、自由な行動が制限され、それぞれの地位に基づいて権利と義務を持っています。公利が優先され、互いに良い意見を持ち、礼儀、忍耐、相互尊重を持って行動します。

Jew・ジュー、アスマット族の伝統家屋

村落会議、伝統祭、訪問客の歓迎、およびすべての伝統的な活動が行われる場所

(出典:IndonesiaKaya.com、https://indonesiakaya.com/pustaka-indonesia/jew-rumah-bujang-suku-asmat/

    • 民主主義、アダット・慣習社会の生活は常に連帯感を持って解決され、私利より公利が協議と代表による優先されます。社会活動は常に話し合いから始まり、すべての行動は協議の証です。

地元の伝統知恵を保持するため、

バドゥイ族の伝統主権領域の土地でインタネット通信線路停止に関する願望行為

(出典:TribunBanten、https://banten.tribunnews.com/2023/06/12/pemprov-banten-turuti-permintaan-sesepuh-baduy-dalam-agar-sinyal-internet-di-wilayahnya-diblokir?page=2)

    • 直接的・現金、社会的な交流のバランスを維持するために、、権利・義務の移転または譲渡は同時に行わなければならず、直接的な引渡し・受け取りが行われます。法的行為は形式的、象徴的、または口頭で行われる場合、その瞬間に即座に完了する必要があります。法的行為は売買、交換、権利の移転または譲渡、結婚、養子縁組、昇格、相続・寄付等の取引を含めて限られません。

バンジャルマシン水上市場, 南カリマンタン島

バンジャル族の伝統的な商品取引の相互作用

(出典:atourin.com、https://atourin.com/destination/banjar/dermaga-pasar-terapung-lok-baintan)
(動画出典:KontanTv、https://youtu.be/jeb9vbtLIzM?t=12)

    • 具体的、法的行為を行うには、具体的である必要があります。特定の法的関係における行為や意志は具体的な物体・行為によって表される必要があります。

上記は今回のアダット・慣習社会の大まかな社会構造と特徴でした。約140民族がいるにもかかわらず、各民族の社会構造と生活特性には共通点がありますね。その為、インドネシア共和国として独立し、統一した島国になりました。

来年なりますが、次回はHukum Adat・慣習法の内容をご提供致します!

 

では皆さん、来年もよろしくお願い致します。

よいお年を迎えるように願っております。

また来年! Sampai Tahun Depan !

インドネシアにおける慣習法 その2

皆さん、こんにちは Salam Sejahtera !

 

また私(イサム)が参りました。

突然に、温度が下がってますね。全装備(ヒートテック、上着、カーディガン、ジャケット、カイロ等)を備えても、寒い日には寒いですね。この寒さで、皆さんが平然に仕事を全うするのを拝見し、「本当に日本人は頑張り屋さんで、凄いだな...」と私が思います。

その頑丈さを私にくれるのはできないでしょうか?、もう寒すぎて飛んでしまいそうですのよ...まぁ、軽い冗談ですね。

 

では、本題に入り、アダット・慣習関連の続きをご提供させていただきます。

 

インドネシアの島々は約17.000の島で構成され、約140の民族グループが国内主権領土に存在しております。その上、インドネシアには様々な言語、伝統衣装、伝統舞踊、ご当地歌謡、伝統家屋、楽器、伝統武器、郷土料理等が各地域の民族にあります。

「Apa Kabar ?」または「お元気ですか・調子はどう」とそれぞれの言語のご挨拶

(画像出典:Indonesia Majuフェイスブック公式アカウント、https://www.facebook.com/photo/?fbid=110820284364366&set=a.101015405344854)

アチェ語←ブタウィ語←・→ダヤック語→バリ語

インドネシア語は統一した言語として、全地域・民族に理解できる言語です。

 

地方言語のご挨拶の「Apa Kabar ?」

 (動画出典:https://youtu.be/bsejvsBt6GM?t=18)

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インドネシア、34州(黒文字)の伝統衣装

(画像出典:utakatikotak.com、https://www.utakatikotak.com/Daftar-Lengkap-Nama-Gambar-dan-Asal-Pakaian-Adat-di-Indonesia/kongkow/detail/13460)

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インドネシアの伝統舞踊

(画像出典:humaniora.id、https://www.humaniora.id/pesona-tari-tradisional-indonesia-mengenal-ragam-tarian-khas-nusantara/)

Tari Saman ← Tari Reog Ponorogo → Tari Yapong

サマン舞踊← レオグ ポノロゴ舞踊 → ヤポン舞踊

Tari Kecak ← Tari Jaipong  → Tari Suanggi

ケチャ舞踊 ← ジャイポン舞踊 → スアンギ舞踊

Tari Tortor ← Tari Serimpi → Tari Leleng

トルトル舞踊 ← セリンピ舞踊 → レレン舞踊

 

(動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=rk6uxubXxJs)

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インドネシアのご当地歌謡曲

(動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=VoIV-evpeMo)

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インドネシア、34軒(黄色文字)伝統家屋

(画像出典:HelpShared.com、https://www.helpshared.com/2020/06/gambar-rumah-adat-di-indonesia.html)

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インドネシアのご当地楽器

(画像出典:utakatikotak.com、https://www.utakatikotak.com/Alat-Musik-Tradisional-Beserta-Penjelasan-dan-Gambarnya/kongkow/detail/18751)

順にSape「サペ」、Angklung「アンクルン」、Gamelan「ガムラン」の楽器音

(動画出典:https://youtu.be/Xb7qtkKqXjY)
(動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=T8Jdgk-FC2o)
(動画出典:https://youtu.be/UEWCCSuHsuQ)

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インドネシアのご当地武器(武器名、地域)

(画像出典:radartegal.com、https://radartegal.disway.id/read/658463/7-senjata-tradisional-paling-ditakuti-di-indonesia-salah-satunya-sering-lihat)

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インドネシア郷土料理

(画像出典:goodnewsfromindonesia.id, https://www.goodnewsfromindonesia.id/2022/11/12/17-makanan-tradisional-di-indonesia-dari-sabang-sampai-merauke)

Mie Aceh・ミーアチェ←・→Pempek・ペンペク

Gudeg・グデッグ←・→Gohu Ikan・ゴフイカン

 

伝統お菓子

(画像出典:Wandercooks.com、https://www.wandercooks.com/serabi-kuah/、https://www.wandercooks.com/klepon-indonesian-rice-cakes/)

Serabi・スラビ←・→Klepon・クレポン

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インドネシアにおいて、代々の慣習法は現代の世代にも引き続き適用され、社会内で有効性を保っています。次はインドネシアで慣習がまだ強力な民族である:

  1. Suku Aceh・アチェ族、親系(アチェ、北スマトラ)
  2. Suku Gayo・ガヨ族、父系(アチェ、北スマトラ)
  3. Suku Batak・バタック族、父系(メダン、北スマトラ)
  4. Suku Nias・ニアス族、父系(ニアス島)
  5. Suku Minangkabau・ミナンカバウ族、母系(パダン、西スマトラ)
  6. Suku Melayu・マレー族、親系(スマトラ、カリマンタン、リアウ島)
  7. Suku Dayak・ダヤック族、親系(カリマンタン)
  8. Suku Bangka・バンカ族、親系(バンカ・ブリトゥン島)
  9. Suku Ambon・アンボン族、父系(マルク島)
  10. Suku Tidore・ティドレ族、父系(ティドレ島、北マルク州)
  11. Suku Toraja・トラジャ族、親系(トラジャ、南スラウェシ)
  12. Suku Bugis・ブギス族、親系(マカッサル、南スラウェシ)
  13. Suku Asmat・アスマット族、父系(パプア)
  14. Suku Bali・バリ族、父系(バリ島)
  15. Suku Sasak・ササック族、父系(ロンボク島、西ヌサトゥンガラ)
  16. Suku Sumbawa・スンバワ族、親系(スンバワ島、西ヌサトゥンガラ)
  17. Suku Sumba・スンバ族、父系(スンバ島、東ヌサトゥンガラ)
  18. Suku Lampung・ランプン族、父系(ランプン、南スマトラ)
  19. Suku Jawa・ジャワ族、親系(ジャワ全島)
  20. Suku Sunda・スンダ族、親系(西ジャワ)
  21. Suku Betawi・ブタウィ族、父系(ジャカルタ周辺、西ジャワ)
  22. Suku Baduy・バドゥイ族、親系(バンテン、西ジャワ)
  23. Suku Osing・オシン族、父系(東ジャワ)
  24. Suku Tengger・テンゲル族、親系(マラン、東ジャワ)
  25. Suku Madura・マドゥラ族、親系(マドゥラ島)
  26. 他の115民族(合計約140民族)が慣習法を原則に生活を送っています。

次のURLはインドネシア国立博物館の民族学室にあるインドネシア地図に基づく民族グループを指します:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Indonesia_Ethnic_Groups_Map_English.svg

作者:Gunawan Kartapranata(グナワン・カルタプラナタ)、2010年9月15日

 

インドネシア共和国の憲法1945年第18B条第2項に基づき、国家は全地域に存在する民族グループが存続し、社会発展とインドネシア共和国の原則、法律の規定に適用されている限り、それらを認識されており、尊敬されております。

  1.  

はい、今回にご提供できるアダット・慣習関連内容でした。皆さん、いかがでしょうか?。インドネシアは多様性が豊かな国で、皆さんを明るく歓迎する国です。

次回にまた他の話題を記載しますので、お見逃しなく!

 

では、または次回 Sampai Jumpa!

インドネシアにおける慣習法 その1

皆さん、こんにちは Salam Sejahtera!

 

再び私(イサム)でございます。

12月になってから、すっかり忘年会シーズンに入りましたね。所々に忘年会の広告が流れいます。

皆さんは、忘年会を実施する決意はありませんか?

一方、インドネシアでは、忘年会という文化はありませんが、現代になると忘年会のような宴会を実施する可能性はあると思います。現地では、多数人口はイスラム教であるため、乾杯を交わすより、皆とめったに訪れない高級なお店または美味しいものをご馳走するの方になります。

イスラム教では、新年に対する宴会とかの信仰・祝宴はなく、やらない前提です。ですが、単なる皆の「お疲れ様でした」という気持ちは共感できるので、やるには越したことはございません。

 

さて、冒頭のお話はここまでにして、今回はインドネシアにおける慣習法をテーマにご紹介させていただきます。

 

インドネシアの慣習

インドネシアや他の国々では、国の主権が発効される以前は、社会が生活の原則を定め、それが各個人に拘束力を持っています。社会で生きる各個人に対する慣習に基づいています。

慣習あるいは「Adat/アダット」という言葉はアラビア語の「عادة」に由来し、インドネシア語では「kebiasaan(習慣)」と意味します。慣習はとある行動の習慣であり、特定の方法で操り返され、長い期間にわたり他の人々によって追随されていることを指します。

慣習法あるいは「Hukum Adat/フクム・アダット」は社会における共同生活を規制し、日常生活の原則と規定の基盤です。非成文である慣習法ですが、社会あるいは民族の相互作用プロセスに基づいており、相互作用がより円滑にするための規定です。慣習が慣習法となり、社会に応じられた制裁や報酬が課されられます。

次はインドネシアにおける慣習法に規定された分野です:

  1. 社会構造
  2. 土地
  3. 家族
  4. 成人
  5. 婚姻
  6. 相続
  7. 契約関連(債務、売買、交換等)
  8. 刑罰法規

上記の分野は成文されず、民族・社会内の人々の間での直接関係によって形成されたものです。

インドネシアでは、慣習法の法的効力は民族・社会で追随する規定として認識され、政府によって作成された成文法に排除されません。慣習法の法的効力は、特定の民族グループ・社会で生きる人々および慣習法主権に入った部外者に制約されます。

発展に伴い成文法が社会生活の多くの側面を規制されているにもかかわらず、社会生活に有効されます。

はい、今回はここまでにご説明させていただきました。わずかと主な内容だと思いますが、次はインドネシアにおける慣習法をより細かくご紹介いたします。

 

では、Sampai Jumpa!(また次回)。

イード・アル=アドハー

こんにちは、皆さん。Salam Sejahterah !

 

私「イサム」と再び本ブログに参上いたしました!

秋が寒いかと思ったら、予想される寒さと全く寒くなかった私です。

寒く無くて一安心ですが、防寒対策にこだわったのに、過剰な心配して損したと少々思ってしまいました。

 

さて、遅くなりましたが、今回はイスラム教の祝宴の一つである「イード・アル=アドハー(Eidul Adha)/犠牲祭」をご紹介したいと思います。

6月28~30日に世界中で行われたイード(祝宴)は、ムスリム(イスラム教徒/信仰者)が行う「大巡礼/ハッジ」の最終日であり、大きな祭典です。

 

「犠牲祭」という名前から怖いイメージを持たれるかもしれませんが、イスラム教の長い歴史と、敬虔な信仰が深く関係しています。

イード・アル=アドハーの歴史的背景には、信仰の父として有名な「預言者イブラヒム」の物語が関係しており、イブラヒムが苦悩に苛まれながらも神の啓示に従い、息子イスマーイールを犠牲にしようとしたことが由来となっています。

イスラム教の聖典コーランの「イブラハムという羊飼いがアッラーの命じる通りに息子を生贄として捧げようとしたところ、アッラーはその信仰の深さを知り、息子の代わりに羊を差し出させた」という話に基づきます。

犠牲祭はイブラヒムの忠誠心を称えるほか、動物を生贄として捧げ、神に感謝の気持ちを伝えるための祭典です。

 

お金に余裕のある人が、羊やヤギ、牛、ラクダ等の動物を買い、その肉を3つに分け、1つは自分や家族に、1つは親戚に、あと1つは恵まれない人達に配ります。

また、その肉を販売することは禁じられています。

 

私は渋谷区にあるトルコ風モスク「東京ジャーミイ」を訪れ、祝宴の礼拝をしました。

 

東京ジャーミイに着くと、第一礼拝の途中だったので、次の第二礼拝を待つことになり、とんでもなく長い列に並びました。

午前9時に第一礼拝が終わり、第二礼拝に向けて、並んでいた人たちが急いでモスクに入りました。

第二礼拝でこんなに多くの人がいるとは、思いもつきませんでした。第二礼拝が終わった後、また次に第三礼拝が行われると聞き、びっくりしている暇もなく、即モスクを出て家に帰りました。どれだけのムスリムが東京にいるんだと私が思いました。

 

上の画像を見ると、普通の礼拝のようで、特に印象はないかもしれませんが、日本社会の慣習に従い、平穏に礼拝・祝宴が行われました。

 

一方、インドネシアでの祝宴はムスリムが広場で礼拝を行ったようですね。

こちらはデポック市西ジャワ州の「Lapangan Sepak Bola Komplek Timah」で行われた様子です。広場でお祈りするのは宗教的に任意でありますが、多くのムスリムが集まることができ、費用がかからないという理由で昔からの慣習になっています。

 

国によってお祝いのやり方が異なりますが、世界中のすべてのイスラム教のムスリムに、生きるという意味を思い起こさせる祝宴です。

 

さて、次はインドネシアの犠牲祭の様子をもう少し見てみましょう。

インドネシアでは、捧げられる動物は牛が多く、羊またヤギは牛の4割です。理由は多くの人々に分配することができるからで、裕福な人からのものや地域の人々による共同出資のものなどがあります。

 

開催地は各地域の自治会が決定し、地元住民に肉が分配されます。

大勢の人が集まっていますね。犠牲祭は一般公開なので、見たい人は自由に訪ねてもOKです。

もちろん、訪れる理由は肉をもらうためですが、この祝宴のおかげで美味しい物を味わえて、イスラム教ではなくても、祝宴の祝福を感じられるでしょう。

 

皆さんにも祝福がありますように祈っております。

では、また次回。Sampai Jumpa Lagi !

フードパントリーのお知らせ

Selamat sore!

皆さん、こんにちは。

ようやく東京都も週明けに緊急事態宣言が解除される見込みとなりましたね。

ここで気を緩めずに、なんとか感染状況を落ち着かせたいものです。

今回は、趣向を変えまして、ボランティア活動のお知らせです。

文京baseというボランティア団体が、フードパントリーというイベントを3月21日に開催します。
これは、協力者の方々から食品を募り、食品支援が必要な方々にお配りするというものです。

知り合いの弁護士から協力の依頼を受けまして、コロナということもあり、生活に苦しまれている方々への支援の一助になればと思い、私も英語版とインドネシア語版のチラシを作成するという形で参加させていただくこととなりました。

身近にお困りの方(インドネシアの方はもちろん、他の国の方々も大歓迎です!)がいらっしゃいましたら、是非とも下記パンフレットをお渡しいただければ幸いです。

それではまた次回!

 

レバラン休暇

Selamat sore!

インドネシアでは昨日でラマダンが終わり、今日からレバラン休暇です。

私は日本に一時帰国していますので現地での体験をレポートすることは残念ながら叶いませんでしたが、折角ですので以前のラマダンに引き続きレバランについても少し説明をしたいと思います。

 

ご存知の方も多いとは思いますが、レバラン(Lebaran)は、イスラム教徒における断食明け大祭のことを言います。

レバランはインドネシア語ですが、アラビア語を元にしたイドゥルフィトリ(idul fitri)という名前でも呼ばれています。

インドネシアでは、レバランの初日に「selamat idul fitri semuanyaa. mohon maaf lahir & batin」という挨拶を交わすのが習わしのようです。直訳しますと「イドゥルフィトリおめでとう。体と心ごめんなさい。」と言ったところでしょうか。なんでも、断食明けにイスラム教徒の人々はこれまでの体と心に対して行った良くないことについて謝るんだそうです。私が通っていたインドネシア大学法学部のインターナショナルコースの学生は、ハロウィン会etcの写真を見ているとお酒を嗜んでいたような気がするんですが、ここで謝ることで全て清算するんですかね?

また、レバランはhari kemenangan(勝利の日)とも言います。これは、一ヶ月に及ぶ断食期間(ラマダン)でそれまでの罪と戦い、断食期間の終了によってこの罪に打ち勝ったことになるそうで、レバランはこの勝利記念の日でもあります。

イドゥルフィトリの祝日自体は今日から明日の2日間(ラマダンの回でもご説明した通り、毎年日付がズレますのでご注意を!)なのですが、イドゥルフィトリの前後2日間も政令指定休日となりますので、最低6連休になります。このため、この期間を利用して里帰りや旅行をする人が多いそうです。私もこの休暇を利用してインドネシア人の友人家族とカリマンタン島南東部を旅行する予定だったのですが、新型コロナウィルスのせいで当然中止になってしまいました。。。

いかがでしたか?

インドネシアでは、労働法にも雇用主が全ての宗教に配慮しなければならない規定があるなど、自分の宗教だけではなく他の宗教についても知っておく必要がありますので、これからも様々な宗教行事についてご紹介していきたいと思います。

 

ではまた次回!

ラマダン(断食月)

Selamat siang!

皆様、こんにちは。

 

日本はG W期間に代わり、先週末からS T A Y H O M E週間と銘打って外出自粛を促していますが、インドネシアでは4月23日よりラマダン(断食月)に入りました。

 

ご存知の方も多いと思いますが、今回はこのラマダンについて簡単に説明したいと思います。

ラマダンは日本語では断食月と訳されますが、イスラム教徒のうち健康な人が、日の出から日没まで(精確には夜明けの礼拝前から日没直後の礼拝までのようです。)、水を含む一切の飲食を断つ行為で、断食「月」というように約1ヶ月間続きます。

ラマダンは、イスラム暦(太陰暦)に基づくため、太陽暦の現在だと毎年行われる期間が異なるため注意が必要で、今年は4月23日から5月23日です。

余談ですが、以前インドネシア語の先生に、「期間が毎年変わるとすると、例えば白夜の時期に北欧に住んでいる場合はどうなってしまうのか?」と質問したことがありますが、結局その人の解釈次第だそうです笑。ただし、ラマダンも無理を強いるものではないため、そのようなときは、例えばメッカの時間帯に合わせて断食することも考えられるとのことでした。ちなみにその方曰く、最近だとアプリで、各地での断食の正確な時間をアラームでセットすることもできるとのことでした。

ラマダン期間中、イスラム教徒は早起きして日の出前に食事を済ませ、日中の断食に備えます。先ほどのインドネシア後の先生はお子さんが3人もいらっしゃるため、朝2時に起きて朝食を準備すると言っていました。。。

(日本でA M2時は深夜2時ですが、インドネシア語で「朝」を意味する「pagi」は深夜0時頃から使用します。さらに話が飛びますが、深夜0時って英語だと「12 a.m.」になるんですね。日本語だと「午前0時」ですので勘違いしており、他の留学生やインドネシア人に指摘されて初めて知りました笑。)

 

さて、話をラマダンに戻しますが、先ほど「健康な人」と言ったのは、病人はこの義務を免除されるからです。また、健康な場合であっても旅行期間中は免除されるようです。さらに、高齢者や妊婦も体調に応じて一時的に免除されます。

 

ラマダン期間中は、当然といえば当然ですが、インドネシア人の日中の活動量が落ちるようです。このため、特に午後は仕事も捗らないため、打ち合わせを午前中に集中させるなどして対応していると聞いたことがあります。営業時間を変更する企業もあるようですが、友人に先ほど聞いたところ基本的には普段通り仕事はするようにしていると言っていました。そもそも普段からそれほど濃密に業務時間をこなしているわけではないので、日本の方が思う普段通りとは違いますが・・・。この辺りは、来年のラマダン期間中に体験してみたいところです。

私が通うインドネシア大学も、基本的にはラマダン期間中は避けて期末試験を行う日程になっていました。

 

日没後は家族や友人と集まって食事をするのが習わしで、みんなで楽しみます。

つらいラマダンの後には、レバランと呼ばれるラマダン明けを祝う休暇(インドネシアでは正式な休暇自体は2日間しかないですが、前後3日間に政府が有給休暇一斉消化日を設ける他、企業ごとにさらなる休暇を設けている場合があります。)があり、ムスリムもそうでない人も帰省したり旅行に行ったりします。

しかしながら、今年のラマダン・レバランはコロナウィルスの影響で大きく制限されています。先ほど述べたとおり、レバラン休暇期間中だけでなく、ラマダン期間中も夕食を家族(親戚も含む場合が多いです。)や友人が集まって食べる習慣があるので、感染リスクが高いと判断され、4月24日から5月31日までのラマダン及びレバラン期間、帰省禁止措置に伴う移動制限に関する運輸大臣令を発布しました。これにより、大規模社会制限の対象地域等から出入域する陸海空の公共交通の移動手段の運行・使用が禁止されています。

ラマダン期間中はイスラム圏にとっては日本の年末商戦のようなものですので、経済的にも文化的にもダメージが大きいですね。

私自身、本来であれば友人と一日ラマダン体験を行ってみるつもりでしたので極めて残念ですが、また来年にcoba(「チョバ」と読み、インドネシア語で「試す」の意味です。)してみたいと思います。

 

それではまた次回!

フローレス訪問〜その2 フローレス島

Selamat pagi!

 

皆さま、おはようございます。

 

今回は前回に引き続き、ヌサトゥンガラ諸島のフローレス島について書いていきたいと思います。

 

前回の記事に記載しましたとおり、このあたりの名物といえばなんといってもコモドドラゴンですが、フローレス島には他にも面白い自然や文化がたくさんありますのでご紹介したいと思います。

こちらは、フローレス島の中央よりやや東側にクリムトゥ山というところです。この山の山頂部に火口湖が3つあり、しかもそれが時間によって色が赤やエメラルドグリーンに変化するというなんとも神秘的な場所です。

私が訪れた際は雨季の初めで、残念ながら雲も多く、色の変化は見ることができませんでしたが、オススメの場所です。

ただし、行くのはなかなかに大変で、西の拠点ラブアンバジョから乗合バスで丸一日、またはエンデという島中央部の街に飛行機で向かったのち乗合バス等で2時間ほどかけて山の麓にある村に向かい、そこで一泊して早朝に軽い山登りをして朝日を目指します。登山自体は多少舗装された道をせいぜい1時間くらい登れば着くのですが、暗闇の中、道案内もない中で進むので、なかなかの恐怖感でした。

 

次に訪れたのがバジャワ町で、イネリエ山(現地語で偉大なる母という意味だったと思います。)の麓にあります。

こちらがそのイネリエ山です。山の形が非常に綺麗な独立峰でした。一日かければ登山することもできたようですが、時間がないので諦めました。この辺りはインドネシアといっても気温が非常に寒く、夜は10度台まで冷え込むこともしばしばですのでご注意を。

このイネリエ山を背景にして古くからあるベナ村は、このフローレス島でも古い村のようで、今でも昔ながらの伝統を守って生活しています。

バジャワ町も含め、フローレス島はインドネシアでは珍しくカトリック教徒が多い地方で、ベナ村もカトリック教が中心です。ただし、日本の神仏混合のように、現地のアミニズムと融合しているようなところもあり、非常に興味深い場所でした。

村の集落は密集していますが、それほど大きくはありません。

屋根の上には各家庭にsakapuuと呼ばれる人形が置いてあり、人形の持ち物が各家庭によって違うそうです。

集落の真ん中には広場と、昔のお墓があります。

広場にはこのように小さい屋根の形をしたものが左右に並ぶ場所があります。それぞれ、男女を表したものらしいのですが、使い方はよくわかりませんでした。お祭りの時にでも使うのですかね?

他にもおそらく祭壇と思われるオブジェもありました。

この村最大の特徴は、世界でも珍しい母系主義にあると思います。詳しいシステムは分かりませんでしたが、今でも女性が家長として各家庭を切り盛りしているようです。

調理器具も昔風です。この日は軒先で豚を煮ていました(カトリックなので食べられます。)。混ぜる道具も竹の一種を割っただけでしたが、匂いは美味しそうでした。もう人るは、竹を使った蒸し焼きも置いてありました。こっちは鶏肉だそうです。日本の伝統手法に似てますね。

ベナ村の近くには地元の人もよく来るという温泉があるというので、立ち寄ってみました。

これが温泉です笑

全然思っていたものとは違いましたが、川に右の支流から熱湯が流れ込んできて、それが本流の冷たい水と混ざりますので、自分でちょうどいい温度の場所を探し当てて入ります。

地元の子たちに、手で作る水鉄砲を教えて仲良くなりました。

驚くことに、この子たち、10歳未満だと思うのですが、簡単な英語が話せます。コモドツアーに乗っていた14歳の子も英語が日常会話の英語は問題なく参加していましたし、インドネシアの若い人たちの語学力にはいつも驚かされます。

ベナ村の近くで、下だけが焼け焦げている林を発見しました。イネリエ山では最近山火事が発生したと言っていましたのでそれかと思ったのですが、これは焼畑農業だそうです。バイクでバジャワ町をあちこち紹介してくれたお兄さん曰く、焼畑農業は、燃やして肥料にするというよりは、茂みに潜むヘビ等を追い払うためにやっているということでした。

さて、フローレス地方はいかがでしたでしょうか。

ここにも書ききれないことがたくさんあって、魅力満点の場所でした。交通手段があまりないので、旅慣れていないと難しい場所ではありますが、ぜひ機会があれば訪れてみてください。

それでは、また次回!

おまけ

今回記載したクリムトゥ山やバジャワは一人で訪れたのですが、コモド島やその他の地域は、ジャカルタでお世話になっている家族と一緒に旅行しました。

このご家族、以前にもご紹介したことがあるのですが、お父さんがこのフローレス島の村出身で、親戚との食事会にも参加させてもらいました。

親戚の集まりと言っても人数が20人以上ですので、弁当スタイルではなく、料理鍋や炊飯鍋ごと持ち込んで食べるビュッフェスタイルです。

みなさん、いつも親切にしてくださいます。

ワリディアー!

(現地の民族の言葉で「ありがとう」の意味です。インドネシア語ではありませんので、フローレス島でも他の民族には全く通じません。)