株式会社法 その6 登記・公告

Selamat sore!

 

皆さんこんにちは。

 

インドネシアも新型コロナウィルスの感染者数も一時に比べてだいぶ落ち着いてきた様子ですが、ようやく8000人を割り込んだといったところのようですね。

この前、ニュースで、某ファストフードチェーン店が、某韓国アイドルとのコラボ商品を発売したら、店内が宅配業者で満杯になったなんてニュースもありましたから、今後も不安に思えてきます。。。

 

さて、今日はインドネシア株式会社法シリーズのうち、前回に引き続き登記と公告について取り上げたいと思います。手続的な話であまり面白くないかもしれませんが、登記と公告でそれぞれ1条ずつしかありませんのでお付き合いいただければ幸いです。

 

なお、本ブログ記載の株式会社法は、同法の概説を目的としており(決して条文の完全訳ではありません)、かつ、以前ご紹介した英訳版に則って記載しておりますので、個別の案件につきましては、必ず別途、弁護士等の法律の専門家に個別にご相談ください。

 

 

第29条

本条が株式会社法上の登記について規定しています。

第1項は、単に会社登記が法務人権大臣によって管理されると規定しているだけですので、実質的には2項からですね。

2項では、登記しなければならない事項が規定されています。

商号、本店所在地、会社の設立趣旨、目的及び事業内容、資本金、設立詔書の番号あたりは日本と変わらないですが、定款変更時の法務人権大臣の承認・届出の証書番号や日付、果てはその手続きを行なった公証人の氏名・住所まで記載しないといけないのは独自ですね。

また、登記簿には、取締役・コミサリス(監査役)のほか、株主の氏名・住所まで記載します。但し、株主については第4項にも規定がありますのでまた後ほど。

さらに、監査義務対象会社の貸借対照表及び損益計算書の登記が求められています。

 

第3項では、記載すべき日付について規定されています。

第4項では、公開会社の場合の株主登録は、本法ではなく、資本市場法令の規定に従うべき旨が規定されております。

そのほか、第5項では会社の登記簿は一般に公開されること、第6項では、細かい手続は別途省令で定めることが規定されております。

 

 

第30条

登記の次は公告ですね。株式会社法上の公告は官報一択のようです。。。細かい手続は別途省令で定めることが規定される点は登記と同じですね。

公告は、基本的に、設立や定款変更時に行われることになります。

公告は、14日以内に行わなければならない点には注意が必要です。

 

以上が今回の登記・公告に関する条文でした。

早くワクチンを打って、現地の情報をお届けしたいですね。。。

 

それではまた次回!

 

※本ブログ記載内容は筆者個人の見解であり、所属する法律事務所の見解ではございませんので、何卒ご了解ください。

 

※個別の案件につきましては、必ず別途、弁護士など等法律の専門家に個別にご相談ください。

インドネシア株式会社法 その5〜定款変更②

Selamat sore!

 

今日はインドネシア株式会社法シリーズのうち、前回に引き続き定款変更を取り上げたいと思います。前回の記事で、定款変更には法務人権大臣の事前承認が必要な事項がある旨をご説明したかと思いますが、第22条以下では、その中で手続期限や効力発生日に関する例外規定が設けられています。

 

なお、本ブログ記載の株式会社法は、同法の概説を目的としており(決して条文の完全訳ではありません)、かつ、以前ご紹介した英訳版に則って記載しておりますので、個別の案件につきましては、必ず別途、弁護士等の法律の専門家に個別にご相談ください。

 

第22条 存続期間にかかる定款変更

ここでは、存続期間の延長に関する定款変更の承認の申請が規定されています。

会社は当初の存続期間が終了する日の 60 日前までに法務人権大臣宛に承認申請しなければなりません。他方、法務人権大臣は当初の存続期間が終了する前までに存続期間の変更を承認する義務を負います。

 

第23条 効力発生日

本条は、法務人権大臣の承認が必要な定款変更の効力発生日に関する一般規定です。

効力は、事前承認が必要な変更は、大臣から承認書が発行された日、事後届出で足りる変更は当該届出に係る受理書が発行された日に生じます。

但し、次条以下で例外があります。

 

第24条 公開会社/非公開会社の変更

本条は、非公開会社が公開会社となった場合の変更手続が規定されています。定款変更はもちろんですが、資本市場に関する登録届出も行う必要があります。

 

第25条 公開会社/非公開会社の変更の効力発生日

前条の定款変更の効力発生日が規定されています。

大会社と株式公募を行う会社で時期が違う点に注意が必要です。

また、第2項では、定款変更が無効となってしまった場合には、会社は定款変更について法務人権大臣が承認した日から 6ヶ月以内に、再度、非公開会社になった旨の定款変更を行う旨が規定されております。

なぜかこの辺は個別の事象ごとに細かく規定されていますね。。。

 

第26条 合併及び買収時の定款変更の効力発生日

こちらは、合併や買収が行われた場合の定款変更の効力発生日についての規定です。

こちらも、法務人権大臣の承認の要否によって異なるので注意が必要です。

 

第27条  不受理

本条は、定款変更の申請が受理されない場合について規定されております。①定款変更手続が法令に反している場合や、②変更した定款の内容が法令又は公序良俗に反する場合、③減資に関する定款変更で株主総会の決議に債権者の同意が得られない場合が規定されています。

 

第28条 準用規定

定款変更の規定の最後は準用規定です。

会社設立時に行う設立証書の承認申請手続及びその不受理に関する規定を定めた法第 9 条乃至第 11 条の規定が準用されることが規定されております。

 

いかがでしたでしょうか。

コロナの影響で現地に行けず、今の情報がなかなかお届けできなくてつらいところですが、引き続き、様々なインドネシア情報をお伝えできればと思っております。

 

それではまた次回!

 

※本ブログ記載内容は筆者個人の見解であり、所属する法律事務所の見解ではございませんので、何卒ご了解ください。

 

※個別の案件につきましては、必ず別途、弁護士など等法律の専門家に個別にご相談ください。