Selamat sore! (夕方付近に使う「こんにちは」です。)
今回は、前回に引き続き、スラウェシ島中央部に位置する、タナトラジャ地域の文化についてご紹介します。
今回もお墓(人骨あり)が登場しますので、苦手な方は絶対に以下を読まないでください。
まずは、ケテ・ケスという場所にある、タナトラジャの伝統家屋・トンコーナンについてお話ししていきます。
これがトンコーナンの家です。外観でよく使われる模様は、水牛と鳥で、水牛は神聖、鳥は権威と平和を象徴しています。
外観はカラフルなパターンによって彩られているのですが、色にも意味があり、黒は悲しみ、黄色は祝福、白は純粋、赤は血(勇敢)を表します。
この集落、リーダーの決め方がなんと闘鶏!
勝った人が村のトップということで、鶏を売る人は責任重大ですね。
部屋の中はというと、リビング&ダイニングの部屋が真ん中に位置し、左右の小上がりになった部屋があります。小上がりの部屋は、片方が夫婦及び子どもの部屋、もう片方は祖父母の部屋です。子供は17歳を過ぎると(結婚すると?)外に出ないといけません。
ちなみに、現在であれば普通の家屋なら70万円弱で建てられるそうです。
タナトラジャは家だけでなくお墓もユニークです。
代表的なお墓としては、岩に掘って埋めるパターン、崖の洞窟に納めるパターン、地面に埋めるパターン、そして、キリスト教徒のお墓があります。
時代とともに移り変わったようですが、洞窟に入れていた時代から、岩窟になり、そして、現代ではセメントのお墓(家風)に移行していきました。ここでは、一番目と二番目のお墓をご紹介します。
それでは、レモと呼ばれる岩窟墓から。
このレモ、岩に穴を掘ってご遺体を納める方式です。小さい穴はお一人で、大きめの穴は一族で使用します。人形(タウタウ)があるお墓が社会的ステータスが高い人のお墓です。
写真だと伝わりにくいかもしれませんが、一番上はかなりの高さに納められています。
目測ですが、高さ10m以上はあったはずです。なぜこんな高いところに納めるかというのは埋葬方法に関係しております。この地域では今でも火葬にせず、ご遺体はそのまま(というか病人扱い)お墓に納めるのですが、その際に生活に必要な?装飾品等も一緒に埋葬されます。
このため、位置が高い方が一緒に埋葬される装飾品が盗まれにくく、かつ、動物にもご遺体が破壊されないとのことでした。
悩ましいのが、あくまで病人ですので、2~3年に一回はお墓を開き、ご遺体を取り出して(降ろして)、服を変えて綺麗にしてあげなければいけないということです。しかも、その際にまた水牛(1頭約30万円)を捧げなければならないのです。どんだけお金かかるんでしょう。。。
一番古い岩窟墓は約700年前のものだそうですが、この写真に写っているので一番古いのは300年ほど前だということでした。
次はロンダという場所にある洞窟墓(エロン)です。
お墓が木の彫り物なのですが、モチーフは水牛、豚、そしてボートの3つがあり、それぞれご遺体が男性、女性、そして独身とで使い分けられるようです。動物の割り当てに対して女性から多いな苦情が出てきそうですが、これが伝統だとのことでした。
ここ、至る所に髑髏があるんですよね。歩いていてかなりギョッとする場所でした。
いかがでしたか?
次回は日本でも有名なトラジャコーヒーの農園をご紹介したいと思います。
それではまた!