インドネシア大学生活(日常編)

Selamat sore!

皆さんこんにちは。

 

日本ではコロナの感染拡大もようやく終息への道が見えてきましたが、長期化させないためにももう一踏ん張りですね。

他方、インドネシアでは大規模社会制限の実施がジャカルタ及びその周辺だけでなく、地方の州まで広がりつつあります。(ちなみにインドネシアは34の州から構成されています。)先日お伝えしました通り、今年は5月24日頃からレバラン(断食明け休暇)が始まりますので、ここがインドネシアにおける正念場とも言えます。

 

私の所属するインドネシア大学法学部は期末試験の真っ最中です。他学部は元々レバラン明けに試験を行うようでしたが、法学部は結局当初の予定どおりスケジュールをこなしてしまいました。最後の帳尻合わせの急ピッチさはどこの国も同じでしたが、うまく期末試験事態は、Googleのclassroomなどを活用してうまくこなしていました。このあたりの柔軟性はさすがというべきですね。

 

さて、前回はコロナ影響下の大学生活の様子についてお伝えしましたが、これまでインドネシアでの大学生活がどのようなものかを書いていなかったような気がしますので、この辺りで記憶を頼りに記しておきたいと思います。

 

大学生活の中心は何と言っても講義ですね。

当たり前と言われるかもしれませんが、少なくとも私の学部時代の実態は決して講義中心の大学生活とは言えないものでした・・・。

しかし、ここでは実際に講義中心の生活を学生が送っていると言っても過言ではありません。要因はいくつかありますが、最たる理由は講義の時間数ですね。

まず、1つの講義が通常(少なくともスケジュールの上では)2時間半あります。それも休憩なしで。そのような講義が1日に2〜3つ入っています。

ただし金曜日は比較的授業が少ないように感じました。この辺りも金曜日を安息日とするイスラム教に対する配慮でしょうか。あと、実際に2時間半やるかどうかは、教授の気分しだいです。やることもままあります。

そして、もう一つの要因が、課題の多さです。どの講義も基本的に課題が毎週のように出されます。その多くがグループワークで、他の学生の前でプレゼンテーションを行うこともしばしばです。

私が所属していたクラスはインターナショナルコースであったため、プレゼンテーションも、その後の議論も全て英語でした。

突然インドネシア語に切り替わるパターンも多々ありましたが、それでも学生たちの英語力には本当に毎回驚かされていました。

その反面、学生のプレゼンテーションが長々と毎回行われるせいで、教授から体系的に学問を学ぶことはできません。このあたりのバランスは難しいところですね。友人の学生はパワーポイントの作り方ばかりがうまくなると嘆いていました。

 

このように講義が忙しいため、学生のほとんどはアルバイトを行うことがありません。(そもそも雇用自体も募集がなさそうです。)

もっとも、これは忙しいからというだけでなく、彼らの多くが富裕層だからというのも大きな要因です。半数は車で学校までやってきますし、私の所属していたクラスには、前大統領のお孫さんや、有名人夫婦のお子さんもいました。(ただし、二人とも権威を振りかざすような態度をとらないので、全然気づきませんでした。)

ただし、学生もお金を稼ぐチャンスがあります。それは、インターンシップです。

日本でも最近は給与付きのインターンシップが増えてきたように思いますが、インドネシアではインターンシップは給与付きがスタンダードなようです。期間も2カ月から3カ月と、学期間の休校期間のほぼ全てを費やす形となっています。

このように書いていると、インドネシア大学の学生は日本の学生よりもはるかに勤勉のように聞こえますが、ちゃんと若者らしい面も備えています笑

サークル活動は盛んで、大学の広場のあちこちで車座(文字どおり車座です。みんな地べたに何時間も座っています。。。。)を作っている光景が見られます。

この辺りも写真にとっておけばよかったですね。。。

以前のブログで記載しましたが、私も隣の経済学部の登山サークルに混ぜてもらい、山に登ったこともあります。

他にも様々なイベントを自ら企画しては実行していくインドネシア大学の学生たち。内容・計画のレベルはともかく、その行動力には目を瞠るばかりです。

 

最後は恋愛事情ですね。イスラム教徒の多いインドネシアですが、他のイスラム教国ほどは厳しくない(アチェ州は除きます。たとえ外国人でも未婚のカップルで同州を歩かないでください。)というのもあり、大学校内や近くのカフェでよく手を繋いで話をしているカップルを見かけます。ただし、イスラム教徒の周りの目もあるので、日本のように自由奔放にとはなかなか行かなさそうですね。旅行している若いインドネシア人カップルを見かけることはなかったように記憶していますし、カフェで閉店時間までのんびり話をするくらいが一般的な過ごし方なのかもしれません。もちろん個人差はあるのでしょうが。

 

いかがでしたか?

私の大学生活は10年以上前のことですし、去年まで指導していたのも法科大学院という特殊な場所でしたので、今の普通の大学生の生活は分かりませんが、インドネシア大学で一番驚いたのは、やはり講義のやり方でしたね。ただ、1コマ3時間ぶっ続けは無理だと思います。。。退屈な授業なんか、みんなオンラインで、クラス全体参加のゲームを始めてますよ、先生方。。。

 

それではまた次回!

コロナ下の大学生活

Selamat siang!

皆様こんにちは。

せっかくのゴールデンウィークですが、ご自宅でいかがお過ごしでしょうか。

私はと言いますと、インドネシアにはゴールデンウィークは存在しないため、今日も通常通りの平日です。

そこで今日は、私が通うインドネシア大学での講義が現在どのようになっているかについてご紹介したいと思います。

 

インドネシアでは、初の国内感染者が3月2日に確認された後も、しばらくは通常の講義が行われておりました。もともとマスクをつける文化は(大気汚染のせいで)あったのですが、コロナのためにマスクをつけるという人は当初はほとんどいなかったですね。ただし、次第にマスク着用率は増えていきましたね。

 

しかし、3月15日頃より通常の講義は全て中止となり、今学期の全てがオンライン講義で行われることが決定しました。

さらに、元々は6月20日頃に終了するはずだったのですが、大学全体としては7月末日まで延期されてしまうこととなりました。

これにより、今年の9月から大学院に行く学生は留学時の成績表が院試に利用できない可能性が出てきたり、9月から留学を検討していた全ての学生が中止に追い込まれたり、インドネシアの就活には大きな影響を持つインターンシップが中止になったりと、ウィルスのおかげで大学生活の貴重な時間に重大な影響を受けている学生の嘆きを見聞きするようになりました。

 

もっとも、私が所属する法学部だけは何故か通常通りのスケジュールよりも更に早い日程で終わらせることにしており、5月末には全ての試験が終了する予定です。

おそらく、インドネシアの大学では文系・理系に限らず実地での調査が課題となることも多い(よくアンケートの回答依頼のフォームが他の学生から送られてきます。)ことから、そのような対外活動が必要な学部は大きく方針を変更する準備期間が必要となったものと思われます。

これに対し、法学部は基本的に何かを調査・検証する作業は不要なため(これでよく社会科学と言えたものです。。。)条文とインターネットがあれば講義ができてしまうため、コロナによる日程変更は生じませんでした。

しかも、他学部は今年のラマダン・レバラン期間に配慮し、元々のスケジュールでもレバラン後の5月下旬から期末試験を実施する予定だったのですが、法学部だけは何故か元々レバラン前に全ての試験を終わらせることを予定しており、今のところもこのスケジュールのまま進んでいます。(つまり、イスラム教徒の学生にとっては、頭に当分を接種できず、水も飲めない状況で試験を受ける羽目になることを意味します。)

 

このように書くと、法学部だけは大きな混乱がないようにも思えますが、残念ながら全くそんなことはありません笑

私が感じる一番の大学の問題は、誰も合意内容や決定を明示しないということにあるように思います。例えば、インドネシアでは、各教授のスケジュールに対する裁量がかなり広く、大学全体が延期を決定したとしても、各学部、そして各教授の一声ですぐに結論が変わってしまうことがよくあります。しかし、その割に、各教授は講義予定日当日、早くても前夜まで、次の講義をどうする予定か宣言しないため、毎回混乱が生じます笑

 

さて、個々の授業は日本でも現在多く利用されているZoomというアプリケーションを使って行われています。インドネシア大学では、学部レベルでも対話形式での講義が多いですが、オンラインだとなかなかうまく行かないですね。初めの頃はオンラインでも教授が対話形式でやろうとしていたのですが、学生が同時に質問・回答しようとするため頻繁に混線してしまっていた結果、もうあまりやらなくなってしまいましたね。Zoomにはチャット機能があるので、少なくとも学生からの質問はチャットの方で受け付ければ済む話なのですが。。。

 

オンライン講義最大の謎が、全く予定の日時通りに始まらないことです笑

元々時間を守らない国民性ではありましたが、それは渋滞のためもあるのかと思っていました。しかし、外出自粛下でも状況が変わらないことに鑑みるとどうやらそういうわけではなかったようですね笑

実はこれを書いている今も、本来であれば講義の時間なのですが、教授が何故か全く連絡が取れない事態に陥っており、1時間経過後に自然消滅したようです。(しかし、先週はここから突然何事もなかったかのように始まった講義もあったので油断は禁物です。)

インドネシア留学に来て一番学んだことは、インドネシア人との付き合いでは、最後の最後まで状況把握に努めなければならないことですね。本当によく確定事項が変わりますし、そもそも確定しないまま予定日時を迎えることもあります笑

 

でもオンライン講義への対応の早さは日本にはない素晴らしさでした。日本のように段階的な決定や承認プロセスを経ないため、やるとなったら方式が全く決まってなくても走り始められる強みを持っています。この辺りは見習わなければならないところですね。

 

さて、この記事を書いていて気づいたのですが、そう言えば普通の大学生活について書かずに異常事態の学生生活を記事にしていたことに思い至りました。そこで、次回はこれまで私が経験したインドネシア大学での学生生活について、記憶を辿りながら書いていきたいと思います。

 

それではまた次回!

 

一時帰国

Selamat sore!

皆様、こんにちは。

インドネシア留学のブログとしてこれまで記載しておりましたが、コロナウィルスの影響のため、私も止むを得ず一時帰国することになってしまいました。

まだまだインドネシア国内で学びたい事、行きたい所も数多くあった中での帰国となり非常に残念ではありますが、再び訪問できる日を期待して今は日本でできることにフォーカスしたいと思います。

しかしながら、帰国後もインドネシア大学への留学自体は現在も継続中です。というのも、私が現在所属するインドネシア大学を含む多くのインドネシアの大学はオンライン講義に切り替わりましたので、日本にいながらにして講義を受講することが可能なのです。したがいまして、本ブログもこのままインドネシア留学ブログとして引き続きレポートしていきたいと思います。

このような柔軟さがインドネシアの最大の長所だと私は思います。今回のような事態になった際、今まで全く行っていなかったオンライン講義の方法に切り替え、細かいことは走りながら考えるという柔軟性は、全てをしっかり決めてからじゃないと物事を始めない日本にはない感覚だと思います。ただし、この柔軟性は、逆にいうと、事態がコロコロ変更することを意味するのですが。。。

オンライン講義はもちろん外出しなくていいので楽ではあるのですが、留学生にとっては時差の問題が生じます。幸い、日本はジャカルタから2時間の時差しかないので問題ないのですが、ヨーロッパからの留学生は大変そうです。なにせ、ジャカルタが朝8時のときヨーロッパは深夜3時頃なのです。。。試験もオンラインでジャカルタ時間を基準に行われるため、彼らは明け方に試験を受験するという事態が発生しているようでした。

このような感じで、インドネシアもコロナウィルスと戦いつつ順応しているところです。

大学以外でのインドネシアのコロナウィルスに関する状況については、次回お届けしたいと思います。

それではまた次回!

現地学生向け就職セミナー

Selamat malam!

日本でもコロナウィルスが大変な騒ぎになっているようですが、インドネシアでも話題にはなっています。

未だ感染者がゼロとの情報ですが、その情報を素直に受け取っていいものか、疑心暗鬼になっている部分はあります。。。

ただ、空港以外でマスクつけている人が増えたという印象はないですし、もちろんマスクの売り切れ騒動なども起きてません。

ウィルスのせいで空港に行きづらくなり、旅好きとしては非常に困るので一刻も速く終息することを願うばかりです。

さて、今回は先週末にジャカルタ・クニンガンシティで行われた法学部生向けのジョブフェア(就活セミナー)にインドネシア大学の友人と参加してきたので、その様子をお伝えしたいと思います。

日本での就職活動といえば、私の頃はみんな大学3年秋にリクルートスーツを着て東京ビッグサイト等で開かれる就職セミナーに参加して、企業ブースの説明会に参加し続けると言った感じでした。

ちなみに弁護士の就職活動は少し違っていて(学部新卒と違い、職種が決まってますからやり方が違うのは当たり前ですが)、大手法律事務所の説明会に参加したり、それ以外は弁護士会が提供する採用情報等を利用して個別に面接に行ったりというのが普通ではないかと思います。

一方、ここインドネシアでは、学部新卒の学生でも弁護士の就職活動に近いです。大学生はすでに専門性を有していることが前提で、今回参加した法学部用の説明会には、法律事務所や、インハウス、官公庁等、法律に関連する機関しか参加していませんでした。

以前、インドネシア大学の経済学部に通う友人に、法学部卒業後に銀行に就職した話をしたら驚かれたものです。

「就職」ではなく「就社」の日本の方が、グローバルにみればやはり特殊なのでしょうね。

前置きが長くなりました。

まずは会場の入り口で登録手続きを済ませます。

中に入ると、日本では考えられないくらい派手な就職セミナーの内装が広がります。

ここは入ってすぐにあるディスカッション用のステージです。始まる前はクラブミュージックのようなものが大音量でかかっていましたし、始まってからもカラフルなライトが天井を照らし続けます。

ステージを通り過ぎると、法律事務所等の個別ブースが並んでいます。今回は大小合わせて30社未満だったと思います。

インドネシア人が派手好きなことがよくわかりました…各ブースが様々に趣向を凝らして飾り付けをしています。

中には日本の大手法律事務所と提携していることをアピールしている法律事務所もありました。

そして何より驚いたのがお土産。製造業系が自社製品を配ると言うなら分かりますし、そうでなくても自社ロゴが入った品物を配布するのもわかるのですが、ここではありとあらゆるものを配っていました。一番驚いたのはタピオカミルクティーですかね?

もう法律となんの関係もないじゃないですか…。

他でもジュースやお菓子を配ったり、軽食コーナーがあったりして、みんな飲食をしながらブースを回るカジュアルさでした。

友人が持ち帰った各ブースのお土産はこんな感じです。

他方、ブースで何をするかといえば、日本のように一定間隔で自社説明のプレゼンを行なうといった形式ではなく、学生はあらかじめ準備した履歴書(CV)を封筒に入れて、興味があるブースに置いていくと言うあっさりしたものでした。

もちろん、各ブースに人はいるので話を聞くこともできます。

ただ、日本のように大学3年生(今は4年生?就活方法が近頃コロコロ変わっているせいでもういつ就活しているのかよくわかりません…)だけが参加しているわけではなく、大学2~4年生と幅広い学年が参加しており、2年生は情報収集、3年生は長期(2-3ヶ月くらい)のインターンシップの申し込み、4年生は就職面接の申込みと、それぞれ別の目的を持って来ていました。

いかがでしたか?

海外で現地学生用の就職説明会に参加するなんて滅多にないので、日本とは趣向が違って私には大変貴重な経験でした。

日本の企業の皆様におかれましては、インドネシア現地で採用活動をする際はお土産の重要性をお忘れなきよう!

それではまた次回!

おまけ

就職セミナーの後、近くのカフェで友人と話していたのですが、ピザに調味料が付いて来ました。

皆さん、どっちの色に何が入ってると思いますか?

正解は…

 

 

 

 

 

黄色にトマトケチャップで、赤色にチリソースです。「え、黄色がトマト?マスタードは?!」と聞いても、マスタードが出てくる店なんてないよ〜と一蹴されてしまいました…。

皆さん、インドネシアでトマトケチャップを使いたいときはくれぐれもご注意ください。

(ちなみにインドネシアでは「ケチャップ」はソース全般を指すものなので、「ケチャップちょうだい」というと、普通は日本で言うソースに砂糖をたくさん入れたような味がする「ケチャップマニス」が出て来ます。)