ラマダン(断食月)

Selamat siang!

皆様、こんにちは。

 

日本はG W期間に代わり、先週末からS T A Y H O M E週間と銘打って外出自粛を促していますが、インドネシアでは4月23日よりラマダン(断食月)に入りました。

 

ご存知の方も多いと思いますが、今回はこのラマダンについて簡単に説明したいと思います。

ラマダンは日本語では断食月と訳されますが、イスラム教徒のうち健康な人が、日の出から日没まで(精確には夜明けの礼拝前から日没直後の礼拝までのようです。)、水を含む一切の飲食を断つ行為で、断食「月」というように約1ヶ月間続きます。

ラマダンは、イスラム暦(太陰暦)に基づくため、太陽暦の現在だと毎年行われる期間が異なるため注意が必要で、今年は4月23日から5月23日です。

余談ですが、以前インドネシア語の先生に、「期間が毎年変わるとすると、例えば白夜の時期に北欧に住んでいる場合はどうなってしまうのか?」と質問したことがありますが、結局その人の解釈次第だそうです笑。ただし、ラマダンも無理を強いるものではないため、そのようなときは、例えばメッカの時間帯に合わせて断食することも考えられるとのことでした。ちなみにその方曰く、最近だとアプリで、各地での断食の正確な時間をアラームでセットすることもできるとのことでした。

ラマダン期間中、イスラム教徒は早起きして日の出前に食事を済ませ、日中の断食に備えます。先ほどのインドネシア後の先生はお子さんが3人もいらっしゃるため、朝2時に起きて朝食を準備すると言っていました。。。

(日本でA M2時は深夜2時ですが、インドネシア語で「朝」を意味する「pagi」は深夜0時頃から使用します。さらに話が飛びますが、深夜0時って英語だと「12 a.m.」になるんですね。日本語だと「午前0時」ですので勘違いしており、他の留学生やインドネシア人に指摘されて初めて知りました笑。)

 

さて、話をラマダンに戻しますが、先ほど「健康な人」と言ったのは、病人はこの義務を免除されるからです。また、健康な場合であっても旅行期間中は免除されるようです。さらに、高齢者や妊婦も体調に応じて一時的に免除されます。

 

ラマダン期間中は、当然といえば当然ですが、インドネシア人の日中の活動量が落ちるようです。このため、特に午後は仕事も捗らないため、打ち合わせを午前中に集中させるなどして対応していると聞いたことがあります。営業時間を変更する企業もあるようですが、友人に先ほど聞いたところ基本的には普段通り仕事はするようにしていると言っていました。そもそも普段からそれほど濃密に業務時間をこなしているわけではないので、日本の方が思う普段通りとは違いますが・・・。この辺りは、来年のラマダン期間中に体験してみたいところです。

私が通うインドネシア大学も、基本的にはラマダン期間中は避けて期末試験を行う日程になっていました。

 

日没後は家族や友人と集まって食事をするのが習わしで、みんなで楽しみます。

つらいラマダンの後には、レバランと呼ばれるラマダン明けを祝う休暇(インドネシアでは正式な休暇自体は2日間しかないですが、前後3日間に政府が有給休暇一斉消化日を設ける他、企業ごとにさらなる休暇を設けている場合があります。)があり、ムスリムもそうでない人も帰省したり旅行に行ったりします。

しかしながら、今年のラマダン・レバランはコロナウィルスの影響で大きく制限されています。先ほど述べたとおり、レバラン休暇期間中だけでなく、ラマダン期間中も夕食を家族(親戚も含む場合が多いです。)や友人が集まって食べる習慣があるので、感染リスクが高いと判断され、4月24日から5月31日までのラマダン及びレバラン期間、帰省禁止措置に伴う移動制限に関する運輸大臣令を発布しました。これにより、大規模社会制限の対象地域等から出入域する陸海空の公共交通の移動手段の運行・使用が禁止されています。

ラマダン期間中はイスラム圏にとっては日本の年末商戦のようなものですので、経済的にも文化的にもダメージが大きいですね。

私自身、本来であれば友人と一日ラマダン体験を行ってみるつもりでしたので極めて残念ですが、また来年にcoba(「チョバ」と読み、インドネシア語で「試す」の意味です。)してみたいと思います。

 

それではまた次回!