インドネシア緊急警報

皆さん、こんにちは。Salam Sejahtera

2024年8月22(木)、インドネシアで民主主義の危機が発生し、中央ジャカルタのガトット・スブロト通りの国会議事堂前で大規模なデモが行われ、同様のデモは、スラバヤ、スラカルタ、マカッサルなど、インドネシアの各主要都市でも行われました。

2024年8月21日、インドネシア緊急警報画像がSNSで拡散されました

(画像作者:EAS Indonesia Concept)

この一斉デモは、国民が国会法制局(Baleg DPR)による立案された地方首長選挙法改正に対する反発の表れです。改正案は、2024年8月20日に規定された2つの憲法裁判所判決60号/PUU-XXII/2024及び70号/PUU-XXIIを無効にしようとしました。

(出典:ABC News)

(出典:Firstpost)

国会議事堂庭からのシチュエーション

(出典:Kompas.com)

8月22日の中央ジャカルタデモ情勢

(出典:Associated Press)

国会法制局は、政党による立候補の閾値及び地方首長選挙候補の最低年齢要件に関して、憲法裁判所判決に反していると評価されています。憲法裁判所判決は最終的かつ拘束力を持ちながら、すべての関係者、特に立法機関はこれに従うべきであり、法制定者として憲法裁判所判決の性質を理解しているべきです。

その上、地方首長選挙法改正は、憲法を上回り、政治的利益を狙い、他の候補者の選挙活動を制限する試みです。これは、民主主義の原則と選挙制度の一体性に対する国民の信頼を損なうものです。

(出典:Mata Najwa/Narasi.tv)

(出典:Kompaspedia

規定比較

地方首長選挙法 → 憲法裁判所判決 │ 国会法制局の改正案

2016年第10号

地方首長選挙法

憲法裁判所の判決

国会法制局の改正案

2016年法律第10号第40条第3項、 政党または政党連合が候補者ペアを提案する場合、地方議会(DPRD)の議席を獲得した政党に限り、得票数の25%以上を得る必要がある。

2016年法律第10号第40条第1項 を条件付きで違憲と宣言された。

住民登録簿に基づいて得票数を調整し、地方選挙における立候補の閾値を変更する。

地方議会(DPRD)の議席の20%または有効得票数の25%の閾値を維持する。

しかし、地方議会に議席を持たない政党については、憲法裁判所の判決に従う。

2016年法律第10号第7条第2項(e)、知事候補および副知事候補の最低年齢は30歳、市長および副市長、区長および副区長候補の最低年齢は25歳。

申立てを却下するが、憲法裁判所は法律第7条のすべての要件を満たす必要があると強調した。

地方選挙に立候補する際に、知事候補は登録時または候補者として正式に選定される時点で最低年齢30歳でなければならない。

正式に就任した時点で、知事候補の最低年齢は30歳、市長および県知事候補の最低年齢は25歳と適用される。

旧規則には「候補の就任から」という文言は含まれていなかった。

上記の比較から、国会法制局によって決定された規定が特定の個人やグループを通過させるための試みであると疑われます。憲法裁判所判決は、その議席または得票数の要件を無効とし、非議会政党だけでなく、すべての政党に対して有権者名簿(DPT)の人口に基づく閾値のみを含めるとしました。それに対して、国会法制局による改正では、依然として地方首長選挙法第40条の規定内容が含まれており、政党が候補者を提案するためには、議席の20%または有効得票数字の25%という閾値です。

年齢制限に関しては、ジョコ・ウィドド大統領の末息子である「カエサン・パンガレップ」に有利な状況を生み出そうと疑われています。カエサン氏は現在、インドネシア連帯党(PSI)の党首を務めており、まだ29歳ですが、2024年12月25日に30歳になります。国会法制局による改正案の論理を適用すれば、2025年1月1日の知事就任時には30歳になっているため、カエサン氏は候補者として登録できることになります。

一方、憲法裁判所判決では、知事または副知事候補は、知事候補として登録する時点で最低30歳であることが要件です。候補者の登録は8月24日から26日までに行われます。

この地方首長選挙法の迅速な改正決定は、国会法制局が憲法裁判所判決を無視しようとしていることを反映しており、それが国民の抗議を引き起こしました。国会法制局は、憲法裁判所判決を意図的に無視したため、違憲を犯していると見なされています。

国会法制局は2024年8月22日(木)の本会議で地方首長選挙法改正を可決予定です。しかし、インドネシア各地の国民は失望の意を表し、国会法制局および政府に対して地方首長選挙法改正の可決を中止するよう非難しています。

地方首長選挙法改正の可決に反対するデモの後、地方首長選挙法改正案の可決を予定していた本会議は、国会出席議員が定足数に達しなかったため延期されました。つまり、地方首長選挙法改正の可決は取り消されました。

選挙管理委員会(KPU)は、2024年8月25日(日曜の夜)に、2024年地方首長選挙における候補者選定に関する選挙管理委員会規則第10号を正式に発表しました。この規則は、選挙管理委員会と国会第Ⅱ委員会との協議の結果で、憲法裁判所判決を反映しています。

選挙管理委員会規則

第11条

選挙管理委員会規則

第15条

地方首長選挙における立候補の閾値に関する憲法裁判決70号/PUU‐XXIIを考慮する。

政党は、該当地域の有権者名簿(DPT)に基づく有効得票数の6.5~10%の閾値を満たす場合、地方首長候補者を擁立することができる。

地方首長候補の最低年齢に関する憲法裁判決60号/PUU‐XXIIを考慮する。

選挙管理委員会によって候補登録される時点で、知事・副知事候補は30歳以上、市長・区長及びその副候補は25歳以上であること。

憲法裁判所の判決に従ったこの規則の施行により、政治政党が競争の場を狭める試みや、一部地域における単独候補や傀儡候補の実践を防ぐことが期待されています。また、選挙実施を監視することで、不正行為の可能性を減らすことも期待されています。

インドネシアの民主主義と憲法を守るために戦い、権力に飢えた支配者を打ち負かしたインドネシア国民の皆さんに感謝します。次の指導者を選ぶ際には、国民がもっと積極的かつ慎重に参加することを望みます。

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